車種専用サイバーナビとは?
サイバーナビと言えば、パイオニアのハイエンドカーナビモデルに付けられる商品名です。このラインナップに「車種専用サイバーナビ」と呼ばれるシリーズが加わりました。
カーナビの機能的には、ハイエンドの通常のサイバーナビと同一ですが、ミニバンをはじめとする特定の車種向けに、大画面モニター化されており、ダッシュボードにキレイに装着できるように専用のインパネが用意されているものです。
車両に用意されている通常の2DINの穴には収まらない10インチスクリーンですが、周囲のインパネとセットで提供することにより、取付けを可能とするものです。
対応車種は以下の通りです。
アルファード/ヴェルファイア、ボクシー/ノア/エスクァイア、セレナ、ステップワゴン
車種専用サイバーナビの特徴
10型、XGA、広視野角のモニターを搭載
スマートコマンダーを標準装備
Mercedes/BMW/AUDIなどのシフトレバー脇についている、コントローラーと同じような働きをするものが付属します。(使いやすいところに貼り付けが必要です。)
ジョイスティック/センタークリック/ロータリー(回転)操作が可能、さらにAV/Naviなどの専用ボタンが4つついています。
車専用に最適化された設定データをプリインストール
http://pioneer.jp/carrozzeria/carnavi/car_choice/stepwgn/avic-ce901st-m_avic-ce901st/ より引用
全長、車幅、車高等、ステップワゴンへ最適化したセッティングデータをプリインストール。バックカメラタイプ、スピーカータイプ、ステアリングリモコンを選択することで、…
とあります。車サイズ以外にどのようなパラメータ設定が自動的に行われるのか不明ですが、音響設定をはじめとする初期設定が最適なものになります。
車種専用サイバーナビの主な機能
サーバールート探索
リアルタイム交通情報、蓄積されたプローブ情報に過去10年のノウハウをプラスしたルート検索が可能です。
地図更新 3年分が付属
最大6回の全更新+差分更新
(※3年に満たない場合でも、通信による更新は最大2021年10月まで、通信を使わない場合は2020年10月までとなります。)
MA(マルチドライブアシスト)ユニットに対応
MAユニット(ND-MA1)は、ドライブレコーダーの標準的な機能の他に、前方映像の画像解析によりヒヤリハットを警告して事故を防止する仕組みを兼ね備えた装置です。
こちらをオプション装着することで、前方車両発進、車間距離警告、信号認識、レーン逸脱警告などの機能がサイバーナビに追加されます。
ARスカウタービュー(フロント実写映像による案内)を利用するには、このユニットの接続が必要です。
※カーナビ本体とセット販売されているものもありますが、別売りで追加購入することもできます。
通信モジュール
通信モジュール(ND-DC2)は、背面のUSB端子に接続することで、スマートフォンのテザリングなどを利用することなく、パイオニアのサーバーと通信することができるモジュールです。(標準価格25,000円)
※こちらも本体とセット販売されているものがありますが、追加購入も可能です。
価格には、3年分のデータ通信料が含まれています。
この3年分を使い切った後は、標準価格12,000円の更新用SIMを購入して差し替えることで、さらに2年間利用することができます。
フロアカメラユニット
車室内や後方の映像を撮影して記録するためのオプション製品です。
車種専用サイバーナビには、インパネの一部に取り付け専用の穴が設けられており、このカメラをスッキリと搭載できます。
※こちらも本体とセット販売されているものがありますが、追加購入も可能です。
サイバーナビの他の特徴
下記は、車種専用サイバーナビだけではなく、901系のサイバーナビに共通する機能を紹介します。
サーバールート探索
パイオニアのサーバーで最適なルートを計算し、車に配信する機能です。
ETC割引料金にも対応しています。
※ETC料金計算に完全に対応したカーナビはまだ少なく、ホンダのインターナビやこちらの通信型のサイバーナビが対応しています。
→【関連記事】ETC2.0のメリットは?
フリーワード音声検索(サーバー側検索)
名称や地名、ジャンルなどを含む自然な文章による発話で、柔軟に目的地候補を検索可能です。
その他ネットワーク機能
通信機能を利用したオンライン機能を以下に紹介します。
・スーパールート検索(サーバールート検索)
・天気情報
・スマートループ渋滞情報
・オンデマンドVICS渋滞情報
・フリーワード検索、音声検索、駐車場満空情報
・スマートループ アイ スポット情報
・Gracenoteデータベースによる楽曲情報の表示
ハイレゾ音源再生に対応
FLAC/WAV/ALAの96KHz/24bit再生に対応
これ以上のスペックのファイルやDSDについては、上記スペックにダウンコンバートして再生するようです。
※192kHz/32bitまでのFLAC/WAV/ALA、およびDSD64 2.8MHz, DSD128 5.6MHzを再生可能
→【関連記事】ハイレゾを車で再生するには?
ミュージッククルーズチャンネル
ミュージッククルーズチャンネルは、レクチョクからの音楽ストリーミングサービス(300円/月)を利用した音楽レコメンドシステムを提供します。
901シリーズ購入の場合は、このストリーミングサービスの3か月分の無料チケットがついています。
専用アプリをスマホに接続して連携させる仕組みです。音楽データのストリーミングにデータパケットを使いますので、スマートフォンのデータ契約には注意してください。
楽曲を自分で登録していくと、その属性から関連楽曲を織り込んだプレイリストを自動的に生成し、おすすめしてくれるため、あらたな音楽との出会いが生まれます。
→【関連記事】クルマで「どこでもディーガ」は格安SIMで!
リアセパレートモード(ダブルゾーン/デュアルゾーン)対応
地図画面をはじめ、前席と同じ映像をリアモニターで表示可能。(HDMI接続が必要)
専用アプリ(リアスマートコマンダー)があれば、スマートフォンからナビの操作も可能。
セパレートモードでリアで再生できるソース:
TV/DVD/SD動画/USB動画
前後ボリュームも独立して操作が可能。
10.1型 ワイドXGAの天吊りモニターに対応
パイオニア製10.1型XGAモニター(TVM-FW1040-B)は、HDMIとRCA(アナログ)入力を装備しています。
ナビ本体のHDMI出力とデジタル接続が可能です。ドアの開閉と連動した室内灯を装備しています。
プライベートモニター
前席のヘッドレストの支柱部分に取り付けるプライベートモニターもあります。
こちらも大型の10.1型、9型がラインナップされています。HDMI入力が装備されているため、デジタル接続が可能です。
バックカメラの対応
パイオニア製バックカメラもしくは純正バックカメラも同梱の変換ケーブルを使えば接続可能です。
CE900系サイバーナビの拡張性
背面端子を紹介しながら、その拡張性について解説します。
ETC端子
対応するETC連動型車載器を接続します。
ビーコン接続端子
別売りの対応光ビーコンを接続可能です。
ステアリングリモコン端子
車両のハーネスから、ナビ取付け用ハーネスで取り出したステアリングリモコン端子を接続します。
※その他、GPSや電源ハーネス等がありますが、説明を省略します。
USBタイプA
iPhoneやスマートフォン、USBデバイスの接続用
USB端子X2
MAユニット/通信モジュール/ドライブレコーダーユニット/USBメモリーの内の2つを接続可能
HDMI入力端子
外部機器とHDMIで接続可能です。
HDMI出力端子
リアモニターなどへHDMIで映像を出力できます。
AUX入力端子
ドライブレコーダーの映像を入力する場合、もしくはアナログの外部映像・音声を入力する場合に、別売りの変換ケーブルを用いて接続することができます。
専用ケーブルは4極端子になっており、映像とステレオ音声を入力できます。(4曲ピンの極性は一般的なビデオとは異なる場合があるようです。)
バックカメラ端子
専用のバックカメラ、もしくはカーメーカーの純正カメラを変換ケーブルを通じて接続可能です。
映像・音声入出力端子
こちらから専用のハーネスを用いて以下の接続が可能です。
- 音声認識用のマイク入力
- 外部アンプ用出力(フロント/リア/サブウーファー)
- アナログRCA接続のリアモニター用 出力
※MAユニットが接続される場合には、USB接続の通信モジュールを、MAユニット側にある端子に接続するなど、とにかくなんでもつながるようにものすごい数の入出力端子と拡張性を備えています。サイバーナビの背面は、接続端子のインターフェースで一杯になっています!
※CANとの接続端子が見当たりませんので、車両と通信してハンドルの操舵角を取り出したりする仕組みは持っていないようです。(→バックカメラのガイド線はハンドルに連動しません)
→【関連記事】ホンダ純正ナビのオプション拡張性(リアモニター,ETC等)を解説
まとめ
このリア端子の拡張性だけをみても、ハイエンドモデルにふさわしい、豊富な入出力回路を装備していることがわかります。さらにこれだけたくさん接続されたハードウェアを安定動作させるわけですから、ソフトウェアの開発量もケタ違いです。
考え得る機器は何でも接続できて、ネットワーク接続によるオンライン交通情報からオンラインコンテンツまで取り入れたサイバーナビ。
カーナビとしてはまさにハイエンド中のハイエンドであることは間違いありません。
一方、車両本体と連携する機能はありませんので、ここがオンラインサービス対応の車メーカー純正カーナビと異なるところです。
要/不要を見極めて、システムアップしたらよいのではないでしょうか?
ファミリー向けミニバンユーザーにも、おすすめできるカーナビです。
アルパインのビッグXシリーズと比較すると、スマホアプリ連携やオンラインサービス系機能については、サイバーナビが大きくリードしているようです。