ALPINE ビッグX(EX10Z)は、ホンダ/各社純正ナビと比較しても買いか?

アルパイン ビッグ Xとは?

OEMや市販カーナビを手掛けるアルパインから発売されているカーナビゲーションシステム「ビッグ X」

その名の通り、7インチよりもはるかに大きい9~11インチ級のメインモニタを持ったカーナビゲーションシステムです。

カーナビ|アルパインの「ビッグ X」製品ラインアップ紹介ページ | カー用品 アルパイン(ALPINE Japan)
アルパインのカーナビ「ビッグ X」NEWモデルラインアップ紹介ページ。

通常の取付け穴である2DINサイズを持った車両でも、この大きなサイズのモニターは普通は取付けができないのですが、この2DIN穴周辺の専用インパネとセットで取付け/施工することにより、大画面ナビのインストールを可能とし、純正品のようなフィット感を達成したカーナビシリーズです。

対応車種

トヨタでは、アルファード、ベルファイア、ボクシー、ノア等
日産では、セレナ、
ホンダでは、ステップワゴン等の人気のミニバン用に、車種専用設計が施されています。

今回は、ホンダ ステップワゴン/ステップワゴンスパーダ用の専用モデルである「EX10Z」を例にとり、そのカタログや取説から機能を解説します。

※EX11Z/EX10Z/EX9Z/X9Z/X9ZA/EX8Z/X8Zと7WZは、取扱説明書が共通となっていますので、画面サイズと取付けに関する項目以外については、ほぼ同等の機能と考えてよいようです。他の車種対応モデルを検討中の方も、参考にしてください。

ビッグXの主な機能

・10型の大画面モニターを搭載

10型はWXGA(1280×720)液晶
高視野角の液晶を搭載しており、運転席・助手席からも綺麗な映像を見ることができます。

・「ボイスタッチ」音声コマンド機能を搭載

メーカーオプション(工場装着)ナビや(ディーラー)純正ナビによく搭載されている、ボイスコマンド機能を搭載しており、音声で機能を呼び出すことができます。

・車種専用の音響チューニング

取付けが車種専用設計になっているだけでなく、音響特性をはじめ車によって異なるさまざまなパラメータを設定できるように設計されています。このデータはアルパインのサイトからダウンロードして設定することができます。

アルパインの取説によりますと、下記のようなデータが車種専用パラメータとして用意されているそうです。

– オープニング画面/ オープニングサウンド※
– 車種専用サウンド(音響空間の設定)
– 画面背景デザイン
– 車種イラスト
– リアカメラ接続・ガイド線・コーション位置設定
– 汎用カメラ接続設定
– サイドカメラガイド線設定
– コーナーカメラガイド線・ソナー連動設定
– バックドアガイド線設定
– インターフェースボックス・サイドカメラ/コーナー
カメラ接続
– 案内図表示(交差点拡大図またはビッグアロー)
– 自動距離補正値設定
– 車両情報(車種/サイズ)
– ステアリングリモコン設定
– アロマアイコンデザイン
– エ ンジンタイプ設定
– 燃費ルート探索パラメータ
– メニュー画面デザイン
– ダブルゾーンサウンドコントロール設定(前後席の
推奨Vol値)

・曲がる信号までの数をカウントダウンしながらガイダンス

このナビ機能は、他のナビにはないアルパインの独自機能です。

信号何個目で曲がるかでガイダンスしてくれるので、わかりやすいです。

・フリックやピンチ操作に対応

地図のスクロールや縮尺変更は、スマホのように操作可能です。

・VICS WIDEに対応

FMの音声多重放送から受信するVICS WIDEに対応しています。オンラインから交通情報を取得する機能はありませんが、無料で様々な交通情報を取得可能です。

オプションのナビ連動型ETC2.0車載器を接続すれば、高速道路のITSスポットからも(高速道路の交通)情報を取得することができます。

・ドライバーの声をリアスピーカーから出力

後席まで届きにくいドライバーの声をマイクで拾い、リアスピーカーから出すことで前後のコミュニケーションを助けます。

・12.8インチのリア天吊りモニターに対応

リアモニターにはプラズマクラスターやアロマ機能を内蔵した天吊りモニターがオプションで接続可能です。取り付け可能な車種は、ステップワゴンをはじめ下記のように限定されています。

※対応車種は、アルファード、エクスクァイア、エスティマ、タンク、ノア、ハイエース、ルーミー、レジアスエース、ヴェルファイア、ヴォクシー、セレナ、オデッセイ、ステップワゴンです。

・ダブルゾーン/デュアルゾーンに対応

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全席と後部座席で別のソースを再生する機能です。

※例えば、前席でフロントスピーカーからFMラジオを聴きながら、後部座席のモニターではDVDの映像を表示し、リアスピーカーからDVDの音声を再生できます。

・HDRに対応したリアカメラ&ステアリング連動ガイド線

バックドアの開閉限界位置もバックカメラに表示される補助線でわかります。

※バックドアを障害物に当たらずに全開したい場合には、どこまでバックできるかをモニターを見ながら確認できます。

・Wifiによるデータ更新

地図データの更新、ファームウェアの更新、車種専用チューニングデータの更新、Gracenote(リッピング用アルバム情報)データベースの更新をwifi接続したインターネット経由で行うことができます。

その他標準装備の機能

・Bluetoothオーディオ、ハンズフリー

Bluetoothオーディオの対応コーデックは標準的なA2DPに対応

・NaviConに対応

目的地の転送はできますが、友達マップのナビ地図画面表示には対応していません。

拡張性

・HDMI入力

別売りのケーブルが必要です。

・HDMI出力

HDMI入力に対応したリアモニターとデジタル接続可能です。
別売りのコネクターを使って、コンポジット(アナログ)の映像出力も取り出すことができますので、RCA入力しか持たないアナログ接続のリアモニターとも接続可能です。

・アナログのコンポジット映像入力(1系統)

ドライブレコーダーからの映像や、ウォークマンからの映像・音声などを外部入力として接続することができます。

・リアシートモニターに内蔵されたプラズマクラスターもナビからコントロール

ナビのメニュー画面から、プラズマクラスターの風量や、イルミネーションカラー、アロマのON/OFF、強さを設定できます。

・ウォークマンとの接続

別売りの専用接続ケーブル「KCU-511WM」で対応するウォークマンと接続できます。映像出力に対応したウォークマンであれば、映像をナビ側のスクリーンに表示することができます。

※車が動いているときには映像は非表示となります。

・ETC2.0/ETC車載器

下記カーナビ連動車載器との接続に対応しています。

  • ETC2.0 車載器HCE-B110V / HCE-B110
  • ETC車載器 HCE-B053

・パワーアンプ・パワードサブウーファーとの接続に対応

ナビの背面接続端子からの結線で、スピーカーを直接駆動することもできますが、パワーアンプに接続してシステムアップをはかることもできます。

純正カーナビと比較して

純正カーナビと同等な機能を実現

  • 10インチの大画面でも綺麗にフィット
  • 純正ナビによくある、音声コマンドに対応
  • 車種専用の音響チューニング
  • CANと接続し、バックカメラ映像において、ハンドル操作に連動したガイド線を表示可能
  • 豊富なセーフティ(周囲モニター)カメラに対応
  • ハイエンドの純正ナビと同様に、ダブルゾーンに対応
  • HDMI接続の大型12インチリアモニターに対応

純正カーナビを超える機能

  • HDMI/コンポジットの両入力にそれぞれ対応
  • ドライブレコーダー、リアモニター、セーフティーカメラ、ETC2.0となんでもつながる拡張性
  • 外部パワーアンプにも対応し、音のシステムアップにも対応可能

純正ナビにはちょっと負ける!?

  • プローブ情報を利用した交通情報には非対応
  • オンラインサービスには非対応
    ※Wifiによるデータ更新には対応していますので、スマートフォン等のテザリングにも対応しているということになります。
    特に独自のオンラインサービスを持っているというわけではなく、データ更新に特化しています。

まとめ

大画面をウリにしたアルパインのビッグXについて解説しました。

こうして対応機能を眺めてみますと、豊富なアルパインの専用拡張製品のラインナップにより、各社純正ナビのハイエンドモデルに負けない装備を実現することができるようになっています。

自動車メーカーは、独自のオンラインサービスによる機能拡張で先行していますが、アルパインはここにはあまり対抗せず、あくまでナビ本体の拡張性と基本性能の充実を優先させているように思われます。

最近は、通信関連のアプリケーションはスマートフォンがあればほとんど済んでしまうようなところがありますので、ナビ本体/ナビ独自の機能を充実させたビッグXの方向性も、多くのユーザーに受け入れられていると思われます。

筆者は、Android Auo/CarPlayやスマートフォン連携機能をもう少し充実させてくれば、最強のカーナビになるのではないかと思っています。

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