日産オリジナルナビゲーション(プレミアムナビ)
日産の車両は、セレナやノート等、比較的販売台数の多い車においてオーディオレス仕様がしっかりと存在し、2DINを解放して自由にディーラーオプションや市販カーナビの取付けができるような作りになっています。
購入するユーザーにとっては、選択肢が非常に広がりますので、選ぶのが楽しいですね。
現在、日産オリジナルナビゲーションは、4モデル構成。プレミアム、ベーシック、シンプル、EV専用の4つです。
プレミアムとベーシックはパナソニック製、シンプルとEV専用はJVC Kenwood製です。
本記事では、日産オリジナル(純正ディーラーオプション)ナビのプレミアムに位置する、パナソニック製のMM517系ナビの解説をします。
カタログや取説の内容から紐解いた解説になりますが、購入の際の参考になればと思います。
搭載車種による違い
このカーナビ、中身は共通ですが、搭載車種によりスクリーンサイズやボタン配置などが異なります。
- MM517D-L
セレナ、エクストレイル専用、9インチディスプレイ搭載 - MM517D-L
エルグランド専用、8インチディスプレイ搭載 - MM517D-W
汎用7インチディスプレイ搭載(ワイドディスプレイ対応)
そのため、ナビの性能は同じでも、車種によってディスプレイサイズが異なってきます。
このナビの最大の特徴
- 新規開発されたTCU(Telematics Communication Unit – 通信ユニット)により、データ通信とオペレーターとの通話をこれ1つで実現しました。
※従来は、データ通信と通話は、別の回線契約が必要でした。 - 車両データ連携
車両情報を扱うバス(CAN)に接続され、コントロール機能が拡張されたようです。
車両によっては「リモートドア」などの遠隔操作にも対応できるようになりました。 - Blu-rayドライブ搭載!
パナソニック製らしく、Blu-rayドライブが搭載されています。家庭用Blu-rayレコーダーなどで録画したディスクがそのまま再生可能です。
その他の主な特徴
日産コネクトに対応
CAN接続に対応した車両であれば、このナビと専用アプリを使って、下記の様なサービスも可能です。
- マイカーファインダー
- リモートドア
- 警告灯通知案内
下記ページによりますと、対象車種は下記のようになります。
シルフィ、エルグランド、セレナ、ジューク、エクストレイル、ノート(NISMO Sを除く)、
マーチ(NISMO Sを除く)、NV150 AD、NV350 キャラバン、ティアナ、ウィングロード、キューブ
http://www.nissan.co.jp/OPTIONAL-PARTS/NAVI_AUDIO/NAVI/PDF/can_connect.pdf
全国地図更新3年3回
日産のこちらのナビの場合には、年2回(夏/冬)新しい地図がリリースされています。
2020年冬にリリースされる地図まで合計3回の更新が可能です。
※すでに2018年に入っていますので、2020年冬リリースの地図を最終版としてそこまでに3回更新できると考えたらよいと思います。
無料の地図更新は、6カ月点検、12か月点検、初回点検のタイミングで適用することができます。そのため、日産ディーラーでの車両点検が必要となります。
そしてこのナビは、全体更新のみ対応しており、部分更新/差分更新には対応していません。
デュアルウィンドウによる、ナビゲーションAVの2画面表示
ナビゲーション地図とAV画面を2分割して同時表示が可能です。
※ただし、走行中は安全の為、映像が見られなくなります。
CarPlay/Android Autoに対応
Apple CarPlay / Android Auto の両方に対応しています。
※HONDAのディーラーオプションナビにはまだ両方に対応したものがないのですが、この日産のディーラーオプションナビではしっかりと両対応しています。同じパナソニック製ですがベースとなるモデルの開発時期がことなるのでしょうか?
Drive T@lkerによる音声認識機能
iPhoneもしくはAndroidスマートフォンにDrive T@lkerアプリをインストールし、Bluetooth接続することで音声認識機能を利用することができます。
「目的地設定」「探索条件設定」「天気を調べる」といったシチュエーションで。
「周辺のコンビニ」「一般優先で」「目的地の天気は?」のような発話を解釈して対話することができます。
AUX入力(外部オーディオ入力)あり
3.5Φのミニジャックで、ポータブルオーディオなどを有線で接続して聞くことができます。
※Bluetoothオーディオが普及してきたので、使う機会が減ってきましたが、挿すだけでつながるというのは意外と便利です。古くなったポータブルオーディオ機をつなぐにも重宝します。
NaviCon対応
スマホで検索した目的地のカーナビとの連携はもちろん、カーナビ地図上に友達マップを表示する機能にも対応しています
→【関連記事】カーナビと連携するスマホ・アプリ NaviConのメリットは?
CDリッピング
リッピングした楽曲はMUSIC STOCKERと呼ばれるデータソースとしてSDに録音され、管理されます。PCで作成したWMAなどとは別に管理されるようです。
録音設定により96kbps~320kbpsのビットレートを選択できます。
CDの楽曲名検索にGracenoteが採用されています。通信アダプタを経由して検索もできるようです。
その他
- Bluetoothハンズフリー
- Bluetoothオーディオ
- 地デジ フルセグ/ワンセグ
- CD/DVD/Blu-ray Diskの再生
- VICS WIDE対応
- 日本語/英語によるメニュー・音声ガイダンスの切り替え
等に対応しています。
追加で拡張できるオプション
バックビューモニター
オプションのバックビューモニターを装着した場合には、後退レンジを選択したときに画像が切り換わります。
カメラ映像に表示される目安線の表示位置は、車に合わせて調整可能です。
また、MM517D-Lの一部車種には、ハンドルの切れ角に応じて目安線が動く機能がサポートされています。
ETC/ETC2.0車載器
本器に対応したオプションのETCもしくはETC2.0車載器と連動して動作することができます。
支払料金の利用履歴などもカーナビ画面から見ることができます。
→【関連記事】ETC2.0のメリットは?
Drive P@ss
Drive P@ass機能を利用すると、ナビ側のスクリーン操作によって、専用アプリのニュースを見たり、スマートフォン内の音楽を再生することができるものです。
この機能を利用するためには、スマートフォン側が、MHLやHDMI出力を持っている必要がありますので、使いたい場合には、所有しているスマートフォンの仕様を確認してください。
iPhoneは変換ケーブルを利用して、Lightning cableからHDMI入力を取り出せますが、フリーSIM系のAndroid端末だと、これらの映像出力に対応しているものが少ないのでご注意ください。
そしてBluetooth接続も必要です。
※ナビ側から操作ができるという視点では、機能的にAndroid AutoやCarPlayと似たようなところがあります。
VTR/HDMI
別売りのAVケーブルを使用すると、赤白黄色のコンポジット(RCA)入力端子によるアナログ映像を表示することができます。
同様に、別売りのHDMIケーブルを使用すれば、デジタルの外部機器入力を利用することもできます。対応解像度は、1920x1080i、1280x720p、720×480p、640×480pです。
リアモニターとの接続性
MM517の背面からは、後席モニター用にHDMI出力端子が設けられています。そのため純正の天吊りモニターを利用する場合には、11インチタイプのモニターとHDMI接続する組み合わせとなります。
この場合、後席で表示できるソースは以下のようになっており、エンタティンメント系ソースはほぼ全て表示可能です。
TV、DVD、Blu-ray Disc、SD(動画のみ)、WALKMAN®(動画)、USB(動画)、HDMI、VTR、ドライブレコーダー
※リア席モニターは、走行中の画像表示の制限を受けませんので、ゆっくりと楽しめます。
→【関連記事】2018年 日産純正ナビのオプション拡張性(リアモニター,ETC等)を解説
まとめ
日産のプレミアムナビである、パナソニック製MM517Dについて解説しました。ほぼフル機能が装備された日産コネクトナビですし、拡張性も申し分ありません。
車種専用のMM517D-Lは、ディスプレイが大型であることもあり、30万近い価格設定となっています。
日産の純正システムの中では最高峰のおすすめナビです。
セレナ等のミニバンに、大型画面ナビをキレイに装着したいということであれば、アルパインやパイオニア辺りと比較することになりそうです。
→【関連記事】2018年 日産純正シンプルナビ MJ117D の解説
→【関連記事】日産 純正カーナビ 新モデル(2018-2019年)の変更点は?(旧モデルと比較)
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