2018年 トヨタのハイブリッド・ナビゲーション技術とは?

トヨタ最新カーナビに見る、ナビゲーションシステムの方向性

Lexus LS500や新型クラウンに搭載されるハイブリッドナビゲーション。近いうちに市販車として発売するLexus UXにもおそらく同じカーナビが搭載されるのではないかと、写真の形状から筆者が推測していますが。

これらのハイエンドカーに搭載されるハイブリッドナビゲーションとはなんなのか、解説してみます。

トヨタのカーナビゲーション

昔も今も、トヨタの純正カーナビはメニュー構成や地図の色使いがほとんど変わりません。

派手さがなく、さらに先進性もあまり感じられないカーナビデザインではありますが、とても高度が技術が搭載されています。

→【関連記事】2018年 トヨタ純正(ディーラーオプション)カーナビは 買いか?

T-ConnectによるT-プローブ交通情報

日本で最大の自動車会社ですから販売台数も多く、全国何処へ行っても、T-Connect対応カーナビを搭載したクルマが走っています。

それらの車から収集されるビッグデータから作り出された渋滞情報ですから、やはり信頼性も高いはずです。

蓄積された過去の交通情報を元に、統計情報から作成した予測情報と、実際のリアルタイム情報を統合した独自の交通情報として利用されています。

たとえば、今は混んでいなくても、やがて通勤ラッシュ時間で混み始めるとか、毎年の恒例イベントがあるので、どの辺りが混み始めるといったことが過去のデータから予測されるときには、これらを考慮したルートが推奨されるというわけです。

マップオンデマンド

新規購入から3年間、全地図更新から2年間、差分・部分更新によって地図が最新に保たれます。

自動更新ならば全国の高速道路・有料道路が対象となり、更新ボタンを手動で押すタイプの手動更新ならば前記に加え、選択した都道府県の道路情報も更新されます。

数年前になりますが、カーナビにおいて差分更新・部分更新という技術の搭載が流行った時期がありました。そのときは、「差分更新でいつでも最新地図に!」をセールスポイントにしてカーナビを発売するメーカーが多くありました。

ところが最近はこの話題が少し下火になっており、そのかわり「年次更新を毎年もしくは半年毎に行う」とか、「年次更新3年間無料!」といった売り方をするメーカーが多くなってきました。

何か理由があるのだとは思われますが、いまも自動更新サービスを続けているのがT-Connectです。ホンダもかつてはInternaviでこのサービスを続けてきましたが、最新のナビでは「差分更新なし」&「年次全更新」が主流となっています。

→【関連記事】トヨタT-connectナビの地図更新解説

ハイブリッド・ナビゲーション

ハイブリッド・ナビゲーションとは、ホストサーバーによるナビ機能と車載ナビによるナビ機能を適宜切り替えながら動作するタイプのカーナビゲーションのことを言います。

たとえばルート計算をサーバーで行い、計算結果をダウンロードして車載ナビでガイダンスを行うというような動きをします。

他社の例で言いますと、歴史を持つのがホンダのInternaviです。ルート計算はInternaviによるスマートルートとして計算され、車載ナビに通信でダウンロードされて利用されています。

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もちろん、サーバーとの通信ができない状態であっても、車載ナビ単体でもルート計算をすることができます。こういったところがハイブリットといわれる理由です。

通信できないところでは、車載ナビ内部のメモリーに格納された情報だけでルート計算しますので、地図データが最新でなかったり、十分な渋滞情報が得られなかったりすることもあります。

さて、トヨタの最新のハイブリッド・ナビゲーションはどうでしょうか?

レクサスLS500、新型クラウンに搭載されているものがハイブリッド機能を持っています。ルートを引くだけであれば、すでに他社のモデルでも実現されていますが、トヨタのこれらのナビの特徴は、地図表示もサーバー側のデータをダウンロードして使うというところにあります。

最新の地図と、最先端の交通情報を使って計算したルートだけをダウンロードするだけではなく、その地図も同時にダウンロードして表示に利用することで、ルート案内中はすべて最新の情報で案内することが可能です。

※中途半端に更新された状態の車載ナビの地図データを使う必要がないため、むしろ内部の整合が取りやすくなるのでしょう。

2018年の冬頃に発売を予定している、レクサスUXのインテリア画像などを筆者が見る限り、LS500と同等のカーナビが搭載されるようです。そうだとすれば、こちらも最新のハイブリッドカーナビが搭載されることになります。
トヨタは、カーナビにおいても、着々とこのハイブリッド化を進めているようです。

将来のカーナビは?

現在、自動運転に向けたダイナミックマップの仕様策定や開発が進められていますが、将来の自動運転用地図データは非常に詳細が情報が詰まっています。

そうなれば、データサイズが大きすぎて、車載ナビのフラッシュメモリに載せるのも困難。さらに自動運転のために、常にマスター地図データがアップデートされるので、すぐに車載カーナビのメモリ上の情報は古くなってしまいます。

そのためにも、将来は最新の周辺地図を常にダウンロードしながら走るのが当たり前となるのでしょう。

こちらは自動運転のための技術ではありますが、カーナビもこのような技術が普通に利用されるようになるのではないかと予想されます。

まとめ

ところで、スマートフォンのナビゲーションアプリでは、すべてサーバー側で処理するのが当たり前の世界です。
しかしながら、なかなかそういう構成にならないのが車載ナビゲーションです。

やはり万が一、地域によって通信が安定しなかったらどうするか?というのが根底にあるのではないかと思われますが、最近の通信品質は高いので、やがて通信前提のカーナビであっても、問題がなくなるのではないでしょうか?

そういう筆者も、今では車載ナビではなく、すっかりスマートフォンのナビに頼っています。
実際にiPhone等でナビアプリを使ってみますと、交差点での曲がるときの方向なども、うまくセンサーで補間されるようで、全く問題なく動作しています。

但し、格安SIMスマホ等の安価なスマホですと、各種センサー精度があまり良くないようで、交差点を曲がるときに、表示される方向が実際とずれることが多いように感じます。

「車載ナビ」VS「スマホ」の勝負の行方はいかに?
またトヨタのようなハイブリッドナビゲーションは、今後の主流になるのでしょうか?

さらにトヨタは、AIの研究や商品搭載も積極的に行っています。
LINEやLINE Clovaと連携したAIエージェントも導入し、ますます通信が前提となるサービスに移行してゆくのだと思われます。

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