スバルにも三菱DIATONEサウンドナビ
最近、三菱電機がカーナビの開発に力を入れているようで、ホンダやスバルのディーラーオプション製品として次々に採用されています。
今回は、このスバル用 DIATONEサウンドナビのうち、新たに新型FORESTER用ビルトインナビに採用された「H0014SJ000SS」を三菱電機の市販製品と比較しながら解説します。
スバルのサイトには、電子化されたカーナビ製品の取説がありませんので、サイト上のカタログ情報を参考に解説したものとなります。
どんなカーナビなのか、購入を検討されている方の参考になればうれしいです。
スバルのビルトインナビとは?
スバルでは、マルチファンクションディスプレイと連携したり、2DINスペース枠外のHWスイッチ類を伴い、スバル専用に取り付けられるように作られたカーナビを、特に「ビルトインナビ」と呼んでいるようです。
2018年5月時点で、スバル車のビルトインナビとしてラインナップされているのは、パナソニックと三菱のナビだけですが、FORESTERに装着可能なものはパナソニック製品のみでした。
他のナビ(パイオニアやKenwood)も純正のディーラーオプションナビではありますが、マルチファンクションディスプレイへの連携表示機能はなく、汎用の2DINスペース枠内に収まるような設計になっています。※市販ナビそのままでは無く、最低限、電源ONでスバルのロゴが出るくらいの改造は加えられているようです。
新型FORESTERに装着できる純正カーナビラインナップ
すでに5代目となった新型フォレスター。スバルのSUVとして人気の車がフルモデルチェンジしました。
このフォレスターにオプション装着できる純正ナビは、以下の5モデルとなっています。(以下のサイトより)
- Panasonic ビルトインナビ 8インチ 259,675円
- DIATONE サウンドナビ ビルトインナビ 8インチ 247,795円
- Carrozzeria Cyber Navi 7インチ 212,803円
- kenwood 彩速ナビ 7インチ 184,723円
- Carrozzeria 楽ナビ 7インチ 162,043円
新たに、ビルトインナビとして、8インチ FORESTER専用三菱ナビが追加されたました!
詳しくは、三菱DIATONEサウンドナビのスバル車用HPに掲載されています。
www.mitsubishielectric.co.jp/carele/club-diatone/subaru/
本記事では、こちらの「H0014SJ000SS」について
三菱の市販モデルと比較しながら解説したいと思います。
三菱製 フォレスター用ビルトインナビ
ベースモデルは?
「搭載モニターのサイズや特徴」「内蔵eMMCのサイズ」「外部入力の特徴(HDMIデジタル入力無し)」などの情報から、NR-MZ300PREMIがベースとなっているのではないかと推測されます。
しかしながら、上記モデルは2017年秋ごろに発売されたものですから、そんなに新しいものをカーメーカーのOEMに持ってくるというのも少し考えにくいので、1つ前のNR-MZ200シリーズ辺りをベースにして、8インチ化およびソフトウェア変更を行っているのかもしれません。
いずれにしても、この辺りは大きなスペック変更がありませんのでこの辺りのプラットフォームがベースとなっていると思われます。
本記事では、NR-MZ300PREMIを市販ベースモデルの比較対象と仮定して紹介しています。
マルチファンクションディスプレイとは?
最近の国産/海外の車両には、「マルチインフォメーションディスプレイ」とか、スバルのように「マルチファンクションディスプレイ」と呼ばれる情報表示専用モニターが設けられています。
多くの場合、ハンドル周辺のスイッチ操作で表示内容を選ぶことができるようになっています。
このディスプレイは、メーターパネル内に収められる場合がほとんどですが、スバルの場合はセンタークラスターの最上部に位置しています。
パナソニックと三菱のビルトインナビは、このディスプレイへの連携表示機能を実装しており、カーナビの補助ディスプレイとしても機能します。
「H0014SJ000SS」の主な特徴は?
三菱製のスバル・フォレスター専用 ビルトインナビであるDIATONEサウンドナビ「H0014SJ000SS」の基本機能について紹介します。
基本スペック
8インチモニター
新開発ピュアブラック・ハイコントラストモニター搭載
地図16GB eMMC
静電タッチパネル
Bluetooth対応
ハンズフリー通話とBluetoothオーディオ
※ベースモデルから考えて Bluetoothオーディオの対応コーデックは、AAC/SBC対応か?
→【関連記事】カーナビと接続するためのBluetooth profile(ブルートゥース・プロファイル)の解説
スマートフォン連携・オンライン機能
プローブ渋滞情報
三菱の交通情報システムであるOpenInfoに対応
(SMARTLOOPによるオンライン交通情報)
→【関連記事】Internaviにも使われているオンデマンドVICSとは?
スマートフォン連携
三菱のクラウドサービスであるDriveConnectに対応
NaviCon対応
目的地設定はもちろん、「友達マップ」のアイコンをカーナビ地図上に表示することも可能です。
→【関連記事】カーナビと連携するスマホ・アプリ NaviConのメリットは?
Wi-Fi搭載
Wifiテザリングによるインターネット接続に対応しています。
※ネットDEサーチ、スマホDEメモなどのオンライン機能を利用できます。
その他、新規開通情報やリアルタイムプローブを利用した交通情報の取得にもBluetoothだけでなくWifi接続でも利用可能
音質関連
アドバンスド32bit D/Aコンバーター
マルチウェイ・タイムアライメント
各スピーカーからの到達距離を任意に調整して、リスニングポジションに最適な音像設定を作り出します。
ハイレゾ音源対応(再生可能フォーマット)
FLAC、WAVファイルともに、192kHz/24bit再生に対応
※音声出力は、44.1kHz/24bitにダウンサンプリングして再生するそうです。
→【関連記事】ハイレゾを車で再生するには?
→【関連記事】2018年 最近のカーナビに見る高音質化の方向性
ミュージックフォルダ(SDカード)
CDリッピングによる音楽データの録音
音声認識(目的地検索などのナビ機能の一部を操作可能)
バージイン発話に対応
※ガイダンス発話中でも割り込んで音声操作が可能
※ナビ側は、自分が出している音を把握しているわけですから、マイクからの入力される音声に対して、その音をキャンセルできるという技術のようです。
ビルトインナビの独自機能
ベースモデルの市販製品にはない、ビルトインナビで追加された機能を紹介します。
- マルチファンクションディスプレイ連携(ナビ、AV、ハンズフリー等の情報も表示可能)
- ドライバーモニタリングシステム連携(ドライバーモニタリングシステム搭載車で利用可能)
SUBARU専用車種別音質データ(車に合わせてチューニングされた音響パラメータを使用)
- ステアリングリモコン対応(市販モデルはオプション設定ですが、こちらは標準)
- フェードイン・フェードアウト(エンジンON/OFF時のオーディオ再生音)
- Apple CarPlay対応
ほとんどが、車両と連携する機能の追加なのですが、Apple CarPlayにも追加対応しています。この機能は市販モデルにはないものです。
無料地図更新付き!
更に、OpenInfoのユーザー登録をすることにより、2018/2019/2020/2021年度版の地図データDVDを計4回無料で送付してくれるそうです。
接続性
- ETC2.0車載器(光VICS対応)
- ETC2.0車載器
単独の光ビーコンはサポートされませんが、ETC2.0車載とセットになっているものをサポートしています。
光ビーコンを装着することでTSPS(信号情報活用運転支援システム)が使用できるようになるかどうかは記載がなく、不明です。→※マルチファンクションディスプレイに表示されたらいいですね! - リヤビューカメラ対応
- アナログ映像入力端子(HDMI入力なし)※ここは300PREMIと同様です。
三菱製 フォレスター用ビルトインナビ 総括・評価
三菱DIATONEサウンドナビのハイエンドモデルに、スバル独自のマルチファンクションディスプレイとの連携機能を追加したこのフォレスター専用ビルトインナビ。
サイズもこれまでのフォレスター用の純正モデルより大きな8インチモニターを採用し、充実のスペックです。
まだまだスペックや機能で不明なところが多いのですが、ハイレゾ対応/音声認識等、新型FORESTERに人気のカーナビとなること間違いありません。
価格も、パナソニックの従来のビルトインナビより若干抑えられたうえ、8インチ対応ですから、われわれ消費者にとってもうれしいですね。
発売してもう少し詳しいことがわかりましたら、またレポートしたいと思います。
→【関連記事】三菱 DIATONEサウンド ナビ の特徴を解説・評価
→【関連記事】LEGACY専用 純正ビルトインモデル・ナビ 三菱DIATONEサウンドナビ H0014AL000BBを解説