Mazda3が登場し、新しいステージへ…
Mazda3の登場と共に、新たに発表されたMazdaコネクテッドサービス。
これに伴って「Mazda Connect」も新しい世代へのシフトが予感されます。
ソフトウェアの更新やモジュール更新によってアップグレードが可能となるマツダ コネクト(Mazda Connect)、その最近(2019年7月現在)の様子について本記事で紹介していきたいと思います。
マツダコネクトとはどんなものか?
従来の多くの国産車は、ダッシュボードのセンター部分に2DINといわれるサイズの穴が開いており、これを汎用サイズとして、ディーラーオプション品や市販品のカーナビ機器を取り付けられるような構造をとってきました。
今日では、このような汎用サイズを利用しないタイプの車が増えており、マツダも専用のセンターモニターと、標準装備の情報機器(Infotainment system)で構成されたシステムをほとんどのモデルで採用しています。
2DINスペースの穴を開けておき、そこにはめ込むことができるシステムを電機メーカーに作ってもらうというやり方は、その国の事情にあったものを現地調達できるので、それはそれでメリットがあるものでした。
しかしながらこういった2DINスペースを使わない流れは、インテリアデザインの自由度を重視する考えによって、日本の多くの新型車両に徐々に浸透してきているように見受けられます。
「Mazda Connect」と呼ばれるこのシステム。詳しくはこちらの記事で解説しています。
マツダの車でマツダ コネクト以外の選択肢はあるの?
軽自動車のキャロルやフレアには、ディーラーオプションでパイオニアやケンウッドの2DINナビを取り付けることができます。
現在、これ以外の普通車には、一部のグレードを除き、すべてマツダ コネクトが標準装着されます。
※オーディオ類の操作や、車両の各種設定などがこのマツダ コネクトのメニューから操作できるようになっているため、取り外してしまうようなことはできません。
マツダ コネクト の特徴
- 7インチ以上のセンターディスプレイが標準装備
- センターコンソール付近のコマンドコントローラーが標準装備
- 外部接続ハブと呼ばれる拡張用の接続端子群が標準装備(USB端子x2、AUXミニジャック、ナビゲーション用SDカード専用スロット)
- FM/AMチューナー、Bluetooth Audio/Hands-freeなどのオーディオ再生機能が標準装備
- スピーカーも標準(オプションでBose サウンドシステムが選択できる車両あり)
- 音楽ファイル再生は、MP3/WMA/AAC(CD/USB), Ogg/WAVに対応(USB)
※これらの仕組みにより、上記オーディオ再生用のシステムと、各種車両設定を行うインタフェースが提供されます。
オプション装着可能なものは?
いくつかの拡張アイテムはオプション装着の扱いです。
- DVD/CDドライブ、地デジチューナーは、オプション設定。(一部の車両/グレードで標準)
- 追加することで車載ナビ機能を追加できる専用SDカードは、全車オプション扱いです。
※このことから、マツダ コネクトは、モニター、本体+コントローラ、ドライブ+TVチューナーといったモジュールに分割されていることが推測されます。特にTVチューナーやDVDは、販売国によって方式や事情が異なりますので、無難にオプション設定扱いになっているようです。
モデルによる対応状況
DEMIO | MAZDA3 | MAZDA6 | CX-3 | CX-5 | CX-8 | ROADSTAR | ROADSTAR RF | |
マツダ コネクト を標準装着する グレード | 15C, 15MBを除く | 全車 標準 | 全車 標準 | 全車 標準 | 全車 標準 | 全車 標準 | S, NR-A を除く | 全車 標準 |
以下、装着車の仕様 | ||||||||
センターディスプレイ&コマンダーコントロール | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
モニターサイズ | 7 | 8.8 | 8 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 |
外部接続ハブ (以下) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
USB端子x2 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
HDMI入力 | - | 〇 | - | - | - | - | - | - |
AUXミニジャック | 〇 | - | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ナビゲーション用SDカード専用スロット | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ナビSD | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ |
自車位置演算 ユニット | 〇 | ? | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
CarPlay/Android Auto対応 | ― | 〇 | 〇 | ― | 〇 | 〇 | ― | ― |
AM/FMラジオ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Bluetooth | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
通信モジュール | ― | 〇 15Sを除く | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
自車位置演算装置
オプションのナビSDを利用しなくても、自車位置を判断できる仕組みを独立して持っているということのようです。
※ナビ機能の有無に関係なく、将来的には、コネクテッドカーは自車位置情報をふんだんに利用することになるはずですので、ナビと独立して自車位置情報を取り出す装置は必須のものになってきます。たとえば、SOSコールなどで、事故にあったらすぐに自車位置情報を送信できるようにしておく必要があります。
CarPlay/Android Autoの利用
今のところ、全モデルで対応しているわけではありませんが、今後、全車でサポートされる方向にあるようです。
スマホと連携して、CarPlay/Android Auto機能を利用するときに車両側のセンサー情報を利用することができます。(CarPlay/Android Auto対応済みのモデルのみ)
スマホのナビ機能で十分というユーザーは、オプションのナビゲーション用SDカードを買わなくても、スマホナビでそこそこ代用できてしまうことになります。(CarPlay/Android Auto対応車)
センサーデータも車両側のものが使えれば、非常に精度も高い(GPSアンテナ受信感度や車速パルスに基づく情報の方が精度が高い)はずです。
かなり先進的な考え、設計と思われます。
MAZDA3に搭載される新しいマツダ コネクト
では、新たに登場したMAZDA3に装着されるマツダ コネクトについて見ていきます。
基本的な構造は特に変わってはいないようですが、いくつか新しい機能が追加されています。
8.8インチWVGAセンターディスプレイ
従来のモデルに比較して、最も大きいディスプレイが装着されています。
WVGAなので画素数は変わりません。
新たにCDリッピング機能が搭載されています。
外部接続ハブ
拡張のためのハブ機能ですが、従来モデルがAUX端子のところ、HDMI入力が装着されています。
USBの動画再生も可能になったようですが、対応動画フォーマットは不明です。
Apple CarPlay/Android Auto対応、Bluetooth対応
この辺りは従来どおりです。
ナビゲーション用SDカードはオプション扱い
これも従来モデル同様、一貫しており、車載ナビ(アプリ)はあくまでオプション扱いのようです。
地デジチューナーとDVD/CDドライブがメーカーセットオプション
ここの扱いも従来と同様。
※スマホの出現と、メモリー再生による音楽再生環境により、CD・DVDの出番が大分少なくなってきた今日。また、搭載するのが車ですから、動画を見る機会も本来はあまりありません。
これらが考慮され、オプション扱いになっているというのは、かなり良心的?なのではないでしょうか。
また、ナビは3年間の地図更新も付いていますし、安全性を考慮したコマンダーで操作も可能。筆者はこのオプションナビの利用をおすすめします。
マツダのコネクテッドサービス
MAZDA3から始まるマツダの新しいコネクテッドサービス。
詳細はまだよくわかりませんが、どんなものがあるのか見てみます。
2019年8月下旬頃からサービス開始の予定とのことです。
その基本となる仕組みは…
- 車に搭載された通信ユニット(15S以外の全車に標準)
- コネクテッドサービスの中核となるサーバーとのデータ通信
- オペレーターとの通話・会話
- スマートフォン連携アプリ(MyMazda)への情報配信やアプリからの車両のコントロール
上記の基本機能から成り立っています。
具体的なサービスは?
- マツダアドバイスコール(故障時の相談ができる)
- コンディションモニター
エンジンオイル量や交換推奨時期などのメンテナンス情報をMyMazdaアプリから確認 - バーグラーアラーム
ドアなどのこじ開けによるアラーム通知→MyMazdaアプリへ通知 - うっかり通知(ドアなどの閉め忘れの通知)
- リモートコントロール機能(リモートロックも可能)
- ドアの閉め忘れやハザードのON・OFFのお知らせとアプリからの操作
- カーファインダー(MyMazdaアプリから車の位置の確認)
- リモートモニター
燃料の残量や走行距離などの車の情報の確認(MyMazdaアプリ) - ナビへの目的地情報の送信
- 地図差分更新
- ソフトウェア更新
- エマージェンシーコール
といったように、いきなりサービスが多岐に渡っています。
マツダエマージェンシーコール
いわゆるSOSサービスなのですが、ドクターヘリと連携するD-Call Netにも対応したとのことで、エアバック作動と連動した各種センサー情報の送信や位置情報の送信が可能と思われます。
また、「日本緊急通報サービス」の緊急通報サービスを利用ということなので、トヨタやホンダがすでに対応しているHELPNETに対応したと考えてよいと思います。
(まだ正式にHELPNETという言葉は、マツダのサイトを見てもでてきていません。)
こうして、マツダのコネクテッド機能を見てみるとトヨタのコネクテッドサービスとどこか似ているように感じます。
トヨタとの提携によって実現したサービスなのでしょうか?
こういったエマージェンシー機能は、軽自動車を含むどんな車にも、安い利用料金でサポートされていて欲しいものです。
※これらのマツダのコネクテッドサービス、2019年8月末から導入予定です。
総括
マツダ コネクトの現在と、新しいコネクテッドサービスの今後について考えてみました。かなり他のメーカーとカーナビやオーディオシステムに対する取り組み方が異なります。
このような売り方は、輸入車に近いコンセプトで、グローバルに車を売るための仕組みであるようです。
ユーザーにとっては、いくつか選択肢があるとうれしいのですが、マツダ車を選ぶとオーディオやナビ関連は必然的にマツダ コネクトと決まってしまうのです。
しかしながらこのマツダ コネクト。ソフトウェアの更新やモジュール交換で常に進化し続けることが可能です。メーカー側もこの1機種に集中して開発を行えばよいので、非常に効率がよいのではないでしょうか?
デザインやエンジン技術、そしてこのマツダ コネクトと、独自の路線を行くマツダ。まだ筆者は残念ながらマツダの車を所有したことはありませんが、是非、検討してみたいと思っています。
筆者おすすめは、モデルによって設定のあるBose サウンドシステムなどのスピーカーとの組み合わせ。
そしてナビゲーションSDを購入することで追加されるカーナビ機能は、3年間の無料地図更新付き。
また、カーナビはNaviconとの連携機能もありますので、Naviconで検索した目的地を簡単にナビに転送することができます。
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マツダのコネクテッドサービスが開始されましたら、また改めてレポートします。