パイオニアからディスプレイオーディオ「DMH-SF700」「DMH-SZ700」
2020年5月13日、パイオニアから新しいディスプレイオーディオが発表されました。
1DINサイズの開口部に取り付けられる9型HDディスプレイを搭載したDMH-SF700と
2DINサイズに6.8型のVGAディスプレイを搭載したDMH-SZ700の2モデル。
2020年6月発売です。
筆者が期待しているディスプレイモニター製品に新たなモデルが追加されました。
本記事では、このディスプレイオーディオについて、カタログ情報からどんなものなのか解説していきます。
ディスプレイオーディオ「DMH-SF700/DMH-SZ700」などんなもの?
概要
「ナビ機能は搭載していないものの、大型ディスプレイを搭載したレシーバー」ということになります。
- Andoroid Auto / CarPlayに対応し、ナビを含む多くの機能はスマホと連携
- FMチューナーやUSBインターフェース、Bluetoothを搭載し、音楽再生が可能
- Wifiでスマホなどにテザリングしてインターネット接続
- ブラウザを搭載しており、Youtubeの再生も可能
- Amazon Alexaに対応し、Amazon MusicやKindleの読み上げに対応
- ただし、DVDやCDなどの光ディスクドライブは非搭載
おおよそ、こんなことができる車載機器です。
どんな方におすすめかと言うと…
- カーナビ機能はスマホで十分という方
- DVD/CDは、スマホにリッピングしているから車では使わない
- スマホの音源を、車載スピーカーのより良い音質で再生したい
- Android AutoやCarPlayの最新機能を使いたい
- Siriや音声認識で音楽ソースを操作したい
- Alexaも使ってみたい…
使えるソースは?
- WIDE FM / AM (ハイウェイラジオ・交通情報含む)
- USB 動画/静止画/音楽
- iPhone接続
- Bluetooth Audio
- Browser (Youtubeなど)
- AUX(外部入力)
- HDMI入力
- Alexa (Amazon MusicやKindle 読み上げなど)
ここで気が付くことは、以下の様なソース再生には対応していません。
- DVD/CDなどのディスク再生
- SDカードインタフェース
- 地デジなどTVチューナー
機能紹介
ディスプレイ部
DMH-SF700は1DINサイズの本体でありながら、9インチのモニターをフローティングタイプで搭載しています。本体取り付け角度を基準に、最大-15°~60°の範囲でチルトすることができます。
DMH-SZ700は本体が2DINサイズで、6.8インチのモニターが全面に搭載されています。特にチルトはしないようですが、この辺りの仕様は不明です。
Android Auto / CarPlay
この手のディスプレイオーディオの目玉の機能がこちらです。
スマホとリンクして、ナビや音声認識、音楽再生をディスプレイオーディオ側の画面インタフェースから操作可能です。
関連記事 カーナビにミラーリングするためのMiracast/MirrorLink/MHL他を解説(SDLを追記)
USBインタフェース
接続したUSBメモリやポータブルHDDに記録されたさまざまなフォーマットの映像・音声を再生可能です。(MP3, WMA, WAV, AAC, FLAC, DSD, MPEG-4 MPEG-2, DivX, H.264, H.263, VC-1, JPEG, PNG, BMP)
Bluetooth Audio
ソニーのLDAC(コーデック)にも対応しているそうで、XperiaやWalkmanユーザーにはうれしい機能です。
Browser
どの系統のブラウザなのかは不明ですが、Youtubeの再生ができるところがウリのようです。
※Wifiでインターネット接続する必要があります。
スマホ用の専用アプリ「CarAVAssist」と連携して各種設定を行います。
AUX(外部入力)
別売りのAV入力用変換ケーブル(CD-VRM200)を利用してRCA端子による外部からの映像音声の入力ができます。
※走行中はおそらく映像が非表示になるものと思われますが、仕様は不明です。
HDMI入力
本体にはHDMI Type-Dの入力端子がありますので、適宜変換して機器と接続することになります。
車が走行中は映像非表示となります。
その他
- Sports
- 登録したチームの試合情報を表示
- Weather
- 現在地付近の天気予報を表示
- Alexa
Amazon Music, Kindleの読み上げなどに対応
拡張性
このディスプレイオーディオ、なかなか拡張性が高いので紹介します。
- バックカメラ接続機能あり(バックギアに連動可能)
- リアモニター接続端子あり(RCAアナログ)
- ステアリングリモコン端子(ステリモに対応しています)
- サブウーファーにも対応したスピーカー端子
- 外部アンプへの接続も可能
その他の特記事項
- パーキングブレーキコード
- 車速の検知用と思われます
- GPSアンテナ付属
- 天気予報などの位置情報の取得に利用するようです
- 車速パルスの接続
これらを見ると、ほとんどナビのような結線となっています。
走行中の画面表示の規制について考える
ディスプレイオーディオというからには、オーディオだけでなく映像が表示されることが重要な機能です。
しかしながら日本で発売される車載機器は、日本自動車工業会のガイドランに準拠するように作られており、走行中は運転に関係のない情報(主にエンタティンメント系の画像)は表示できないようになっていたり、複雑な操作ができないような設計がなされています。
一方でAndroid AutoやCarPlayは、車両の走行中の表示内容や、操作制限などが考慮された設計になっているため、上記の規制の対象とはならないと解釈されているようです。
そのため、「走行中にAndroid Auto/CarPlayの画面が表示され続けても許される」ということのようです。
しかしながら、HDMIや外部入力による映像は、主にエンタティンメント系の映像であることから、そのコンテンツ内容にかかわらず、一律表示制限がかかるのが普通です。
この表示・操作制限ですが、ユーザーによってはわずらわしいと感じる方も多く、解除を試みる方も多くいるようです。
このような制限はどんな車載器にも当てはまることですので、それを念頭に置いて購入検討をしてください。
総括
カーナビは、地図データをはじめとするライセンスがコストや、ジャイロなどの比較的コストの高い部品も含まれ、一般に本体価格が高額となります。その点、ディスプレイオーディオは、コスト面でも有利。
さらにこちらのモデルは、光ディスクドライブや地デジも搭載していないので、それなりにコストを抑えて作ることができると思われます。
また、光ドライブを非搭載とすることで、1DINの取り付け部にしたというところが最大の特徴。
なかなかうまいところを突いた企画商品と思われます。
実売価格がどのくらいになるかによりますが、イマドキの商品としてナビなしの新車や中古車などにピッタリなのでは?
筆者、おすすめの1台です。
以下、旧モデルを2つ紹介します。光ディスクドライブ搭載品です。
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