彩速ナビの2020年のフラッグシップモデルが発売!
2020年5月12日、JVC Kenwood から彩速ナビの新Mシリーズが発表されました。いずれも1280×720のHDパネルを採用した高精細画面のメモリーナビ。特にMDV-M907HDFは9型のフローティングディスプレイを採用しているのが特徴です。
- MDV-M907HDF(7月上旬発売)
- MDV-M907HDL(5月下旬発売予定)
- MDV-M807HDW(5月下旬発売予定)
- MDV-M807HD(5月下旬発売予定)
本記事では、先に発売となったミドルモデル、MDV-S707L/S707W/S707と比較しながら、Kenwood彩速ナビの上位シリーズについて解説します。
2020年のMシリーズはどんなナビ?
各モデルの概要
MDV-M907HDFとMDV-M907HDLは、昨年モデルに引き続き9インチナビですが、MDV-M907HDFはフローティングモニターを採用。
フローティングといえば、パナのダイナビッグディスプレイを思い起こしますが、Kenwoodはよりシンプルな構造。奥行や上下の初期取り付け位置を何段階かに調整できますが、基本は前後に倒れてくるのみのシンプルなものです。(取付穴は7インチのDINサイズを利用します。)
関連記事 PANASONIC ストラーダ 2019-2020年モデル・ラインナップについて考える(CN-F1X10BD編)
MDV-M907HDLは、チルト機構をもったフラットな画面の9型モデル。こちらは9インチ開口のあるトヨタ車などへの取り付けを前提としたモデルです。
MDV-M807HDW, MDV-M807HDは、上位モデルとかなり近い機能をもった7インチモニターのモデルです。MDV-M807HDWが200mmのワイドDIN版、MDV-M807HDが180mmの通常DIN版です。
Mシリーズ共通仕様・機能
- 高測3Dジャイロを搭載
- センサーはジャイロ3軸+加速度3軸
- HDパネル (1280×720)を採用
- 静電タッチパネルで、ピンチ操作も可能
- WIDE FM/AM チューナー搭載
- 地デジは、フルセグ+ワンセグ 4x4チューナーを搭載
- 光ディスクは、DVD/CDドライブ(CD録音も可能)
- Bluetooth/Bluetooth Audio/Bluetoothテザリングに対応
- Bluetooth Audioの音声コーデックは、LDAC/SBC/AACに対応
- 別売りケーブルで、iPhoneも接続可能
- ハイレゾ再生に対応(各種ハイレゾフォーマットを再生可能)
- VICS WIDEに対応
- 地図更新1年付(KENWOOD MapFanClubの無料優待券が付属)
解像度/地図の表示情報量が多いのが特徴。
彩速ナビのハイエンドモデルをさまざまな車両に取り付けできるように、これら4モデルが展開されています。
Mシリーズ共通・拡張性
- リアビューカメラ専用端子(これはほとんどのカーナビで標準的)
- プリアウト出力(外部アンプを接続するための端子でMシリーズのみ)
- AV入力あり(907はHDMI入力、807はアナログ入力)
- 映像出力(アナログ映像出力1系統)
- HDMI出力x1系統
- ドラレコ入力端子(フロント用)
- ドラレコ入力端子(リア用)
- 別売りのETC2.0車載器を接続可能
- 別売りの光ビーコン搭載ETC2.0車載器を接続することで、TSPS機能を利用可能
映像入力は、907と807でデジタル/アナログで違いがある。
HDリアカメラ | ドラレコ(フロント) | ドラレコ(リア) | ナビ連動型ETC2.0車載器 (光ビーコン内蔵) |
Mシリーズ共通・スマートフォン連携機能
スマートフォンとBluetooth接続することで、下記のアプリとリンクして利用可能。
一部アプリは、Bluetoothテザリングによるネットワーク接続が必要です。
- MapFanAssist
- VOIPUT
- KENWOOD Drive Info.
- SMART USEN
- NaviCon
- KENWOOD Music Info.
Wifiインターフェースを持たない代わりに、Bluetoothでネット接続もできる彩速Mシリーズ。
消費電力の面でも有利。ただし、スマホ側がBluetoothテザリングに対応し、場合によってはキャリアとのオプション利用が必要ですのでご注意ください。
関連記 カーナビと連携するスマホ・アプリ NaviConのメリットは?
MDV-M907HDF/MDV-M907HDLだけの特徴
MDV-M907HDFのフローティング・ディスプレイ
こちらは、ナビ本体は2DINサイズとなっており、そのサイズの開口があれば基本取り付けは可能なようです。ただし、モニター部分が手前に出っ張ってくる構造のため、車両の操作レバーと干渉する場合には取り付けができません。
詳しくは、メーカーホームページを参照してください。
フロントパネル部は、意外とシンプルな構造で、パネルのチルトは手動。
初期取り付け時に、奥行き方向2段階、 高さ方向4段階に調整をすることができますが、取り付けた後は手前に倒れる方向に動く程度。本体の取り付け角度に対し、-10°~60°の範囲でパネルをチルトさせることができるようです。
※MDV-M907HDLは、他のモデルと同様、0°~ 7段階の画面を上向きにする方向にチルト可能です。
MDV-M907HDF/MDV-M907HDLだけの機能
- 9インチのHDディスプレイ搭載
- MQAやDSDにも対応
- WAV, FLAC, Volbisにとどまらず、最新のハイレゾフォーマットにも対応します。DSD対応は、M907シリーズのみ!
- HDMI入力を1系統用意
MDV-807HDW/MDV-807HDの上位モデルとの違い
- 7インチのHDディスプレイ(7インチですが、HDパネルです)
- USB/SDでのDSD再生には未対応
- AV入力は、アナログ1系統
ミドルレンジモデルのMDV-S707シリーズと比較して…どう?
さて、先に発売されたミドルレンジモデルMDV-S707と比較してみます。
機能の違いはどこにあるのでしょうか?
M907シリーズとM807シリーズを単にMシリーズ、S707シリーズを単にSシリーズとして、以下にまとめます。
- Mシリーズのセンサーは、3軸ジャイロ、Sシリーズは1軸ジャイロ
- MシリーズはHDモニター、Sシリーズには8/7インチのモニターがあるが、解像度はWVGA(800×480)
- Mシリーズは静電(ピンチあり)、Sシリーズは抵抗幕(ピンチなし)
- Mシリーズは、BluetoothコーデックがLDAC/SBC/AACに対応、SシリーズはLDACが省略
- SシリーズはMQAやDSD再生が省略
- Sシリーズはオーディオのプリアウトが省略
- SシリーズはAV入力端子が省略
- SシリーズはHDMI出力が省略
といっても、707はリアモニターにも対応でき、ナビ機能は上位モデルと大きな差がありません。技術の進歩はめざましく、これだけの機能がついても707はミドルレンジとなっているわけです。
拡張機能のある・なしが、MシリーズとSシリーズの主な分かれ目となっているようです。
比較表
MDV-M907HDF | MDV-M907HDL | MDV-M807HDW | MDV-M807HD | MDV-S707L/S707W/S707 | |
基本仕様 | |||||
高測3Dジャイロ | 〇 | 〇 | |||
センサー | ジャイロ3軸+加速度3軸 | ジャイロ1軸 +加速度3軸 | |||
画面サイズ | 9型 | 7型 | S707L: 8型 それ以外 7型 | ||
画素数 | HDパネル 1280×720 | 800×480 | |||
タッチパネル方式 | 静電(グレア処理) | 抵抗膜(グレア処理) | |||
ピンチ操作 | 〇 | ― | |||
チルト | 手動チルト -10~60° | 7段階(0°~) | 7段階(0°~) | ||
メディア再生 | |||||
WIDE FM / AM | 〇 | 〇 | |||
地デジチューナー | フルセグ+ワンセグ | フルセグ+ワンセグ | |||
USB | 2.0対応 1A出力 | 2.0対応 1A出力 | |||
SDカード | SD/SDHC/SDXC | SD/SDHC/SDXC | |||
光ディスクドライブ | DVD/CD | DVD/CD | |||
Bluetooth | 〇 | 〇 | |||
Bluetooth Audio | LDAC/SBC/AAC | SBC/AAC | |||
再生可能メディア | |||||
CD録音 | 〇 | 〇 | |||
ディスク(音声) | MP3, AAC, WMA, WAV, FLAC, Volbis, MQA | MP3, AAC, WMA, WAV, FLAC. Vorbis | |||
USB/SD(映像) | MPEG-4 Video, H.264/MPEG-4 AVC, WMV | MPEG-4 Video, H.264/MPEG-4 AVC, WMV | |||
USB/SD (音声) | MP3, AAC, WMA, WAV, FLAC, Volbis, MQA, DSD | MP3, AAC, WMA, WAV, FLAC, Volbis, MQA | MP3, AAC, WMA, WAV.FLAC, Volbis | ||
iPhone/ipod | 〇(別売りケーブルが必要) | 〇 (別売りケーブルが必要) | |||
ハイレゾ再生 | 〇 | 〇 | |||
ナビ機能 | |||||
VICS WIDE | 〇 | 〇 | |||
地図更新 | 1年無料 | 1年無料 | |||
拡張性 | |||||
リアビューカメラ接続 | 〇 | 〇 | |||
プリアウト出力 | 〇 | ― | |||
AV入力 | HDMIx1 | RCAx1 | ― | ||
映像出力 | RCAx1 | RCAx1 | |||
HDMI 出力 | 〇 | ― | |||
ドラレコ入力フロント | 〇 | 〇 | |||
ドラレコ入力リア | 〇 | 〇 | |||
ETC2.0 | 〇 | 〇 | |||
TSPS | 〇 | 〇 | |||
スマートフォン連携 | |||||
Bluetooth テザリング | 〇 | 〇 | |||
MapFanAssist | 〇 | 〇 | |||
VOIPUT | 〇 | 〇 | |||
KENWOOD Drive Info. | 〇 | 〇 | |||
SMART USEN | 〇 | 〇 | |||
NaviCon | 〇 | 〇 | |||
KENWOOD Music Info. | 〇 | 〇 |
総括
Kenwood彩速ナビ MDV-M907, MDV-M807とMDV-S707を比較しながら紹介しました。
2020年モデルの彩速Mシリーズの最大の特徴は…
- フローティングモニターモデルを新たに追加し、2DINの開口に9インチモデルをインストールできるようにした!(MDV-906HDLの後継)
- 昨年モデルのMDV-906HDWとMDV-906HDの後継モデルをMDV-807シリーズとして展開
筆者の意見ですが、多少取り付け車両に制限はあるものの、フラッグシップモデルを7インチ開口に取り付けできるというラインナップは、すばらしいと思います。
実機を店頭などで触れるようになりましたら、またレポートしたいと思います。
関連記事