初の9インチ彩速ナビ MDV-M906HDL
彩速ナビのラインアップは、これまでは7インチと8インチのみ。
それもフラッグシップ機は7インチが定番でした。
2019年モデルは、フラッグシップ機のMDV-M906HDLが9インチナビとして発売されました。
その気になる機能や仕様について、本記事で解説します。
期待通り、7インチHDモデルの発表です。(4月上旬より発売)
取付車種に関するコメントを更新しました。
MDV-M906HDLはどんなナビ?
概要
9型(1280×720)モニターを採用した、DVD/USB/SD/Bluetooth/地デジ搭載のメモリーナビです。
ハイレゾ楽曲の再生に対応した回路設計のカーナビです。
基本部
1280×720の高精細TFT液晶モニターに、静電タッチパネルが搭載されています。もちろんピンチ操作も可能です。
GUI
オーガニックGUIと呼ばれるこのモデルだけのGUIが採用されました。
さまざまな情報ウィンドウを持っており、それらの切り替えと、いくつかウィンドウの同時表示が特徴です。
自動車メーカーのディーラーオプション品と比較すると、非常に凝ったグラフィクスによるインタフェースとなっています。
ナビ部
ジャイロ3軸+加速度3軸の6軸センサー搭載
みちびき、GLONASSにも対応
今回からというわけではありませんが、彩速ナビの位置精度は定評があります。
彩速ナビの地図スクロールや縮尺変更はとても早いですね。Car watchの映像を引用させていただきます。
また、こちらのインタビューを参考にさせていただきました。
今回、HDモニターの採用によって表示ドット数が増えました。そのまま移植してくると描画速度が著しく低下するわけですが、上記記事よると「プラットフォームは同じで、ソフトのチューニングでスピード維持している」とのことです。
※S706をはじめ、他のモデルにも同じソフトウェアが搭載されているかどうかは不明ですが、HDで高速描画が可能ならば、WVGAのS706やL406なら、さらに高速な描画が可能になっているのかも知れませんね。
また、ほぼ同じ縮尺で7インチ旧モデルと並べた場合、906は広範囲な地図表示になっているようです。そういう意味でもユーザーにとっては大画面化のメリットがあります。
その他の案内機能については、従来機能を受けついでいます。
「マイルートアジャスター」では、ナビ設定のさまざまなカスタマイズが可能です。パナソニックでいうところの「ストラーダチューン」に相当します。
→【関連記事】Panasonic ストラーダ DYNABIGディスプレイのCN-F1XVD(Blu-ray/9インチ/2018年モデル)の解説
VICS WIDEに対応
すでにWIDE対応して数世代目になりますが、FMから交通情報を受信し、特に接続料などが不要で使い続けられるところが魅力です。
渋滞、旅行時間、工事、道路・入口閉鎖といった情報が取得できますので、最適なルートで案内してくれます。
→【関連記事】カーナビの交通情報システムとは?(VICSとVICS WIDEの違いを解説)
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AV機能
このナビの特徴は、ハイレゾ機能の充実です。
もともとハイレゾ対応ですが、さまざまな技術の先取りが見られます。
→【関連記事】ハイレゾを車で再生するには?
24bit/192KHzまでの再生に対応。
DACやDSPがこのクオリティで、回路系もそれに合わせたものとなっているのだと思われます。(DACは32bitのものが採用されています。)
FLAC/Vorbis/WAV/DSDに対応しますが、DSDは内部でPCM変換して再生されます。
MQA対応が今回の目玉です。
MQAの352KHzを超えるサンプリング周波数に対しては、最大192KHzで再生されるようです。
車載ナビであっても、実際のMQAのクオリティの差がわかるとうれしいのですが…。
JVC Kenwoodで、家庭用のMQAクオリティが楽しめるウッドコーンオーディオを是非用意して欲しいと思います。
→【関連記事】MQAが車でも聞けるようになる?
→【関連記事】コンパクトでこの音、この価格!いまどきのおすすめ CDラジカセ/ミニコンポ
Bluetooth AudioのLDAC対応
コーデックは、SBC/AAC/LDACに対応します。音楽再生装置としてのスマホの役割が重要視されるようになってきていますので、このコーデックの高音質化はとても有効だと思います。
→【関連記事】カーナビと接続するためのBluetooth profile(ブルートゥース・プロファイル)の解説
再生ビデオファイル
MPEG-4/H.264/WMVと標準的なものをサポートしています。
イコライザー
13バンドのグライコに、プロモードEQも搭載
CDリッピング
圧縮音楽だけでなくロスレスにも対応。4倍速となっています。
スマートフォン連携
VOIPUT
サーバー側の音声認識により、音声認識率の高い目的地検索やフリーワード検索が可能です。
KENWOOD Drive Info.
無料版では、フリーワード検索、ガソリン価格表示、天気予報等を見ることができます。
また有料版では、スマートループ渋滞情報、駐車場満空情報、テレビdeみ~たが利用可能。
※スマートループは、オンライン・プローブ交通情報です。
SMART USEN
音楽専用チャンネルのチャンネル選択操作が、ナビ側から可能です。
NaviCon
NaviConアプリで検索した目的地のカーナビへの転送や、友達マップのカーナビマップ上での表示が可能です。
→【関連記事】カーナビと連携するスマホ・アプリ NaviConのメリットは?
KENWOOD Music Info.
再生CDのタイトル情報をGracenoteデータベースから検索して表示するものです。
Bluetoothテザリング
テザリングというとWifiテザリングが一般的ですが、本機はBluetoothテザリングに対応しています。
Bluetoothですから特にスマホ側が省電力で済むところが特徴です。
接続性
外部入力
アナログ1系統(映像/音声)
映像出力
HDMI出力1系統(Type-A)
アナログ1系統(映像のみ)
※9型WVGAリアモニター「LZ-900」を接続可能です。2台シリーズでつないでツインモニターにもできます。
バックカメラ(リアビューカメラ)の接続に対応(専用コネクタ)
CMOS-C740HD HDリアビューカメラ
CMOS-C320 マルチビューリアビューカメラ
CMOS-C230 スタンダードリアビューカメラ
CMOS-C230W スタンダードリアビューカメラ(白)
その他RCA接続のものも接続可能なようです。(専用の変換ケーブル CA-C100 が必要)
ドライブレコーダー入力
アナログ2系統(フロント/リア)(映像のみ)
プリアウト対応
スピーカーを直接駆動できるだけでなく、外部アンプやサブウーファーを接続するためのプリアウトも用意されています。(フロント/リア/サブウーファーの3系統)
ETC車載器(下記のカーナビ連動型と接続可能です。)
ETC-N7000(光ビーコン対応)
ETC-N3000
→【関連記事】2018年 ETC2.0のメリットは?(一時退出の社会実験編)
※TSPS機能を利用する場合は、光ビーコン付のETC-N7000を接続してください。
→【関連記事】光ビーコンから提供される信号情報活用運転支援システムとは?
USBコネクタ
本体背面から1mのケーブル付きコネクタが2本出ています。
各社ステアリングリモコンにも対応します。
総括
ケンウッドの彩速ナビのフラッグシップモデル MDV-M906HDL を紹介しました。
- 9型(1280×720)モニターを採用
- DVD/USB/SD/Bluetooth/地デジ搭載のメモリーナビ
- 6軸センサーとGPS(Glonass みちびき)で高い位置精度
- VICS WIDE対応
- MQAを追加したハイレゾ対応の強化
- 各種スマートフォン連携対応
- 接続性
- 外部入力:アナログ
- モニター出力:アナログ/HDMI
- バックモニターの接続
- ETC2.0連携車載器の対応
- フロント・リア ドライブレコーダーの接続
- プリアウト/サブウーファー出力に対応
HDMI入力のサポート、後席個別再生には対応していませんが、ナビ/AV共にフル機能のカーナビです。
筆者個人的には、逆チルトが無くなったこと、通常サイズのWDIN車に取付できないところが残念です。
CarPlay/Android Auto対応はしていませんが、現状それほど必要でもないのではないかと感じます。(対応アプリも少ないですし。)
MDV-M906HDLの取付について
さてこちらのモデルの装着は、トヨタの9インチ開口のある車両が対象となっています。
調べてみますと、トヨタの純正カーナビ9インチモデルの取付可能車種とほぼ共通するようです。
※但し、ケンウッドのサイトでは、上記「トヨタ9インチナビの対応車種」+「アルファード/ヴェルファイア」が取付可能になっていました。アルファードは10インチのディーラーオプションナビが取付できますが、メーカーオプション品は9.2インチのT-Connectナビでしたので、この取付部材を使用できるのだと思われます。
ナビ機能、AV機能共に充実したこのモデル。
是非、他の自動車メーカーの車両にも取付できるようになることを望みます。
MDV-M906HDWとMDV-M906HDです。それぞれワイドDINと通常DINサイズのモデルです。
これで2DINサイズの取付場所さえあれば、どんな車にも取り付け可能です。