ETC2.0とは?
2014年10月、ETC/DSRCからETC2.0へとサービス名が変更となり料金徴収だけでなく交通情報サービスなども受信できる仕組みとなったこのサービス。
→【関連記事】ETC2.0のメリットは?
現在、SA・PAが長距離存在しないような高速道路区間において、「一時退出して道の駅に立ち寄っても、料金が連続走行と同一になる」サービスが社会実験として実施されています。
今回は、この「一時退出」サービスについて解説します。
「高速からの一時退出を可能とするサービス」とは?
長距離(およそ25km以上)SAやPAが存在しない高速道路区間は意外に多く、全国に約100区間あるそうです。
こんな区間を走行中、状況によっては休憩をしたくてもできなかったり、ガソリンの給油が必要になるケースがでてきます。
EV車両の場合にはどうしても充電する必要がある場合もあるでしょう。
新しいサービスとして、一時的に対象ICから降りて、対応する道の駅に立ち寄り、また戻って同じICから同じ方向の高速道路に乗る場合、連続走行と同じ料金が適用されるというものです。
通常、一旦高速道路から降りてまた乗ると、降りずに連続走行した場合に比べて通行料金が高くなります。しかしこのサービスでは、一時退出しても連続走行と同一料金が適用されるというものです。
※但し、ゲートで表示される料金には反映されません。
後日、クレジット会社からの請求時に調整された料金が適用されるというものです。
適用条件は?
- ETC2.0車載器であること。(従来のETC車載器ではサービスを受けられません。)
- 実験中の該当IC(現在全国で20カ所)からの一時退出であること
- そのICに対応した道の駅に立ち寄ること(国道側の入口から入り、ITS路側機の下を通過する必要あり)
- ICを退出してから 1時間以内に同一ICの同一方向に再入場すること
どのくらいおトク?
例>練馬IC→渋川伊香保ICに行く場合
ETC2.0 料金は連続走行した場合には、3,090円
一旦、高崎玉村スマートICで降りる場合の通常料金は?
練馬IC→高崎玉村スマートIC:2,570円
高崎玉村スマートIC→渋川伊香保IC:710円
よって合計 2,570 + 710 = 3,280円となり、連続して乗るのに比較して190円高くなります。
→この一時退出サービスが適用されるように再入場すれば、連続走行の 3,090円 で利用可能です。
例>花園IC→渋川伊香保に行く場合
ETC2.0料金は、1,420円
一旦、高崎玉村スマートICで降りる場合の通常料金は?
花園IC→高崎玉村スマートIC:870円
高崎玉村スマートIC→渋川伊香保IC:710円
よって合計 870 + 710 = 1,580円となり、連続して乗るのに比較して160円高くなります。
→この一時退出サービスが適用されるように再入場すれば、連続走行の 1,420円 で利用可能です。
一時退出中にできるのは休憩だけ?
道の駅に立ち寄って、1時間以内に再入場するのであれば、途中何をしてもOKです。
ガソリンを入れてもよいし、レストランによってもよいし、道の駅以外で買い物をするのもOKです。もちろん充電もOKです。
※但し、必ず道の駅の入口付近に立ち寄ってITS路側機下を通過してください。(ETCゲート付近にあるような路側機が設置されている下を通る必要があります。)
社会実験を展開中のICと道の駅
現在、全国で20のICと道の駅が、このサービスに対応しています。
下記に 関東 の対象ICと道の駅を紹介します。
1.関越道 高崎玉村スマートIC
路線:関越道(群馬県佐波郡玉村町)
IC: 高崎玉村スマートIC
道の駅:玉村宿
※EV充電器(200V・急速 各1台)
2.圏央道 五霞IC
路線:圏央道(茨城券猿島郡五霞町)
IC: 五霞IC
道の駅: ごか
※急速充電(1台)
3.富津館山道 鋸南保田IC
路線:富津館山道(千葉県安房郡鋸南町)
IC: 鋸南保田IC
道の駅: 保田小学校
※急速充電(1台)
4.中部横断道 白根IC
路線:中部横断道(山梨県南アルプス市)
IC: 白根IC
道の駅: しらね
※急速充電(1台)
その他の対象ICと道の駅
【東北】
八戸自動車道 九戸IC
東北自動車道 村田IC
磐越自動車道 猪苗代磐梯高原IC
【北陸】
北陸自動車道 親不知IC
舞鶴若狭⾃動⾞道 ⼩浜IC
【中部】
新東名高速道路 新城IC
【近畿】
名神高速道路 栗東IC
舞鶴若狭⾃動⾞道 春⽇IC
【中国】
中国道 千代田IC
中国道 戸河内IC
中国道 六日市IC
米子道 江府IC
山陽道 徳山西IC
【四国】
高知自動車道 新宮IC
【九州】
九州自動車道 えびのIC
長崎自動車道 東そのぎIC
高速道路外給油サービスの社会実験!
磐越自動車道、新津ICで給油のための一時退出が可能になる社会実験が行われています。
この区間、磐梯山SA~黒崎PAまでの約120Km、もしくは磐梯山SA~荒川胎内ICを降りるまでの150Kmで高速道路上にガソリンスタンド施設が全くありません!
そのため、新津ICで一時退出し、ゼネラル 新津インターSSで給油して1時間以内に同じ方向に戻ると、連続走行とみなされて課金されるというサービスです。
給油時にこのガソリンスタンドで、ETCカードのチェックを受ける必要があります。
但し、こちらはETC2.0に限らず、ETCでもOKです。
2019年7月16日から1年間の予定です。
また、同様のサービスが、これまで東海北陸自動車道 福光ICでも行われてきました。2020年の7月14日まで社会実験が延長されたそうです。
まとめ
2018年3月23、24日で17箇所の追加社会実験がスタートした一時退出のサービスについて紹介しました。
2019年に入り、特に追加された区間はなく、社会実験が継続されています。
筆者は、渋滞の場合なども考えると、再入場までの時間がたった1時間というのはだいぶ短いように思います。また、「隣のICから再入場してもOK」といったように徐々に制約が緩和されれば、メリットが大きいと感じます。
EV車両も徐々に増えてきていますので、充電のために一時退出したいケースも増えていますね。
ETCからETC2.0に切り替えるメリットはだいぶ大きくなってきていますが、あと、もう一歩踏み込んだサービスを期待します。