2018年 三菱DIATONEサウンド ナビ(NR-MZ300PREMI/NR-MZ200PREMI-2)とは?
三菱電機から発売されている、高音質設計を特徴とするカーナビゲーションモデルです。三菱のカーナビ・ラインナップの中ではハイエンドモデルに位置づけられます。
今回は、その中でも最新の
- 8インチメモリーナビ「NR-MZ300PREMI」
- 7インチメモリーナビ「NR-MZ200PREMI-2」
について、そのカタログと取説の情報を元に解説します。
主な仕様
三菱カーナビゲーション
NR-MZ300PREMI
8インチWVGAモニター搭載のメモリーナビ、DVDドライブ、Bluetooth、フルセグ地デジ
NR-MZ200PREMI-2
7インチWVGAモニター搭載のメモリーナビ、DVDドライブ、Bluetooth、フルセグ地デジ
この2つのモデルの違い
・モニターサイズ
8インチと7インチ、ただし有効画素は同一のWVGAです。
※ということは、8インチは1つの画素が大きいということになります。
また、8インチのため装着できる車種が限定されていますので、購入の際は注意してください。
・外部入力
300PREMIは、外部入力がアナログのみ
200PREMI-2は、アナログ入力に加え、別売りの変換ケーブルでHDMI入力が可能です。
・外部カメラ入力
300PREMIは、バックカメラ入力1系統
200PREMI-2は、バックカメラ入力1系統を含む合計3系統のカメラ入力に対応
・スマートボイスコントロール
300PREMIのみ、通信型のサーバー音声認識機能を搭載しており、自然言語による音声入力と認識が可能。
・ニュースリーダー
300PREMIのみ、時事通信社のニュースを要約して音読する機能あり
他の仕様は基本的に同一です。300PREMIがすべての面で優れているというわけではなく、拡張性については、200PREMI-2の方が優れているのが特徴です。
NR-MZ300PREMI/NR-MZ200PREMI-2の主な特徴
高音質設計の映像・オーディオ関連機能
・外部AMP対応時も高音質
ダイアトーンスピーカーやサブウーファーとのシステムアップも可能
・ハイレゾ対応
192kHz/24bitに対応
・高性能なDSPを搭載
フロント左右独立の31バンドグラフィックEQを搭載
※フロント左:10バンド、フロント右:10バンド、リア:10バンド、サブウーファー:1バンドの計31バンドとなるようです。
・DVDドライブ
DVDはCPRM対応で、家庭用のDVDレコーダーで録画したTV番組も再生可能です。
DVDのメニューは、ダイレクトにタッチして操作が可能です。
・CDリッピング
CDは4倍速リッピング対応→SDへ保存。
Gracenoteデータベースによるオートタイトル機能あり。
・SD/USB再生
MP3やWMA、AAC、WAV、FLACの再生をサポートしています。
ナビゲーション機能
・目的地検索
予測変換辞書が搭載されているらしく、キーワードの先頭数文字を入力するだけで、入力したいキーワード/単語が、入力候補欄に表示され選択可能です。
「&条件」(キーワード指定検索)が可能なため、正確な施設名がわからなくても組み合わせて指定することで簡単に検索が可能です。
・渋滞予測データを収録
VICSセンターの過去の渋滞データを内部に持っており、これを利用して渋滞を予測する機能があります。
・右折進入ができない施設や駐車場には、横付けのルートを検索
目的地にできるだけ左折で進入できるようなルートを案内します。
・提携駐車場検索に対応
名称施設検索で検索された施設に、提携している駐車場を検索できます。
・乗降IC指定
高速道路を利用するルートの場合に、乗り降りするICを指定できます。
・VICS WIDEに対応
FM 多重放送から、交通情報だけでなく、大雨情報や警戒情報を入手することができます。
・信号情報活用運転支援システムに対応
対応交差点において、青信号までの残り時間を表示
ETC2.0ナビ連携車載器(光ビーコン対応)EP-B016SRBW/EP-B016SRBDとの接続が必要です。
→【関連記事】光ビーコンから提供される信号情報活用支援システムとは?
→【関連記事】ETC2.0のメリットは?
・無料地図更新 3回
NR-MZ300PREMIの場合、OpenInfoサービスへの登録により、2018年度版、2019年度版、2020年度版の地図データを無償で3回可能です。NR-MZ200シリーズの場合は、WEBの情報によると2回無料となっています。
※スマートループ等のサービスに対応していますし、地図データはパイオニアやケンウッドのカーナビと同様に、インクリメントP社の地図データを採用しているようです。
操作系機能の特徴
音声認識機能
NR-MZ300PREMIのみ、クラウド型の音声認識システムであるスマートボイスコントロールに対応しています。この機能により会話形式の音声入力にも対応します。
NR-MZ200PREMI-2は、本体に内蔵されたソフトウェアによる音声認識機能を持ちますが、「施設名称検索」「周辺検索」「ジャンル検索」「住所検索」「電話番号検索」「登録地点の検索」及び一部の操作を音声認識で操作可能です。この場合の検索対象は、地図データに登録済みのものに限定されます。
・(ガイダンスなどの)バージイン発話機能
ガイダンス音声が流れている途中でも、発話した音声を認識することができます。
「ガイダンス音声などのナビが出力している音声は、ユーザーが発話しているマイクから音声を拾ってしまっても、内部でキャンセルすることが可能」ということのようです。ちょうどノイズキャンセリング・ヘッドフォンのような原理と思われます。
ガイダンスの音声がしゃべり終わるまで待っているというのも、意外とイライラすることがありますので、この機能はとても便利と思われます。
※BMWの純正カーナビにも似たような機能がサポートされていますが、BMWでは、ユーザーが発話をはじめると、直ちにガイダンス音声の音量を絞り込んで即座に音声認識に対応します。
・会話中の名称やジャンル名を自動認識して、表示。ワンタッチで検索可能
常に、音声認識処理がバックグラウンドで動作しているようで、普段のユーザーの会話の中から施設名称やジャンル名を次々に認識して、画面の1部に表示します。ユーザーがこのキーワードをタッチして選択することにより、すぐに検索を開始することができます。
・ニュースリーダー(NR-MZ300PREMIのみ)
ニュースを読み上げるだけではなく、重要な部分を抽出して要約したものを読み上げる機能があります。
ネットワーク・オンラインシステム
・Wifi対応
Wifiでネットワークに接続する機能があります。スマートフォンとのWifiテザリングを設定すれば、スマートフォンアプリとの連携や、Gracenoteデータベースからのオンライン取得などに対応しています。
・OpenInfoサービス
三菱のオンラインサービスで以下のようなサービスを提供しています。
- スマートループ交通情報(パイオニアのプローブシステム)を取得可能
- 新規開通道路情報の取得(詳細不明、ケンウッドの彩速ナビと同じ開通道路サービス?)
- OpenInfoに登録すると、地図更新データ(地図ディスク)が無償で送られてきます。
その他の特徴
モニター
直射日光の反射に強い、三菱独自のモニターが採用されています。
Bluetooth機能
・Bluetooth オーディオ
コーデックは、AAC,SBCに対応しています。
一般的なカーナビのBluetoothオーディオでは、SBCのみしかサポートされていないものが多いのですが、このナビではAACもサポートされています。
iPhoneユーザーはより高音質なAACコーデックで接続可能です。
→【関連記事】カーナビと連携するためのBluetoothの解説
・NaviCon対応
NaviConアプリの検索結果を利用できるだけではなく、「友達マップ」をカーナビ地図上に表示する機能にも対応しています。
→【関連記事】カーナビと連携するスマホ・アプリ NaviConのメリットは?
拡張性・オプション品
・外部入力
300PREMIは、外部入力(映像/音声)がアナログのみ
200PREMI-2は、アナログに加え、別売りの変換ケーブルでHDMI入力が可能です。
・外部カメラ入力
300PREMIは、バックカメラ入力1系統
200PREMI-2は、バックカメラ入力1系統を含む合計3系統のカメラ入力に対応
・外部映像出力
アナログ出力1系統です。ダブルゾーン/デュアルゾーンには対応していません。
・オプションのヘッドアップディスプレイに対応しています。
DU-200HU
ダッシュボードの上に設置することで、視線移動が少なく、矢印や距離のガイダンスを見ることができます。
・準天頂衛星に対応
2018年夏に発売予定のGS-300と接続することで、レーンレベルの案内や逆走警告に対応するそうです。(この機能は300PREMIのみ)
DIATONEサウンドナビの総括・評価
高音質を最大の特徴とした三菱DIATONEサウンド ナビのハイエンドモデル、NR-MZ300PREMI/NR-MZ200PREMI-2。
カーナビの機能も充実しており、さらに音声認識機能や3年間の無料地図更新(200PREMI-2は2年?)など充実の内容です。
OpenInfoサービスを利用すればオンライン交通情報やオンライン検索も利用できますので、他のハイエンドナビと十分に対抗できるだけの機能を持っています。
一方、ダブルゾーンと呼ばれるリア席との別ソース再生や、リアモニターとのデジタル接続には対応していませんので、ファミリー向けというよりも、パーソナル&ハイエンド志向です。
コンパクトやスポーツ車、そしてミニバンでもパーソナルな使い方の、音にこだわるユーザーに特におすすめしたいと思います。
8インチの300PREMIと7インチの200PREMI-2のどちらを選ぶか?
オンラインの音声認識機能を持つ、NR-MZ300PREMIは魅力なのですが、8インチ用の車種専用インパネの仕上がりを見ると、筆者としてはもうちょっとクオリティをあげて欲しいと感じます。アルパインやパイオニアのそれと比べると、まだ少し差があるように思います。
※取り付け例はこちらです。
また、この2つのモデルには、入力系統に違いがあります。一概には言えませんが、いろいろなデバイスを入力する端子として、HDMI入力はこれから非常に有用です。
200PREMI-2に別売りの専用ケーブルを利用することでサポートされるHDMI入力ならば、スマホをつないだり、デジカメやビデオをつないだりするときに、何かと便利なのではないかと思います。もちろん、RCAのアナログでも接続はできますが、結構画質が落ちるので、やはりデジタル接続のHDMIがおすすめです。
7インチのNR-MZ200PREMI-2にも、サーバー音声認識機能が搭載されていたら…よいのですが。