MQAはハイレゾ音源の新しい形?
ハイレゾについては別途こちらの記事で紹介しましたが、比較的新しい技術であるMQAについては触れていませんでした。
→【関連記事】ハイレゾを車で再生するには?
ハイレゾというと、CD品質を超えるデジタル音源とその再生環境を指すわけですが、現在主流となっているFLACに比較して、MQAはだいぶデータサイズが小さくなるようです。
またMQA-CDという規格のCDも、普通のCDプレーヤーでもそのまま聞けるそうな…。
そんな驚きのMQAについて紹介したいと思います。
MQAとは?
MQA(Master Quality Authenticated)は、Meridian Audioが開発した音源フォーマットです。MQAは2016年頃から徐々に知られるようになった、英国で生まれた技術です。
周波数のたたみ込みと呼ばれる手法で、高周波を耳には聞こえないデータ領域に入れ込むそうです。
データサイズは、一般のハイレゾ音源に比較して数分の1程度、またMQA-CDの場合には通常のCDクオリティのデータにハイレゾ音源データを収録可能。
コンパクトで、音楽配信やスマホでの取り扱いにも適しています。
MQA-CD
CDの44.1KHz/16bitに、MQAの技術を使って、ハイレゾの高域データを折りたたむようにして入れ込まれたCDをMQA-CDと呼びます。
これはなんと、そのまま従来のCDプレーヤーで再生可能なのだそうです。
※高域に入れ込まれたデータは、単純に無視されて再生されないだけ…とのことです。
もちろん、この織り込まれた高域データをMQA専用のデコーダーで処理をすることによって、ハイレゾ音源として再生することも可能です。(最大354KHz/24bit)
MQAの特徴
神経工学的には、ヒトは時間軸方向の音のズレにより敏感だそうです。
MQAでは、そういった時間軸方向のズレを小さくするように設計されています。
時間方向のズレというとなかなかピンと来ませんが、簡単に言うと、非常に短時間のパルスのような音声信号が入ってきたときに、その再生タイミングがズレるといった現象です。
MQA-CDを従来のCDプレーヤーで再生した場合にも、この時間方向のズレが小さくなるようにデータが作成されるため、聴覚的な効果があるとされています。
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従来のCDプレーヤーとの再生互換性
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ハイレゾデータの小型化が可能で配信にも適する
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時間軸方向のズレを小さくする設計による高音質化
再生方法
MQA-CDの音源を、そのクオリティで聞くためには、専用のデコーダーが必要です。
【メリディアン(MAQに関する情報)】
https://www.hires-music.jp/
※このデコーダー一式は高価なので、別の方法も紹介します。
CDリッピングによる方法
- CDリッピングでデータを取り出す
- 専用のソフトウェアで、MQAデータとしてFLAC形式などに復元/変換する
- 変換されたデータをハイレゾ音源として再生する
【MQA PC アプリケーション】
http://www.mqa.co.uk/customer/tag435sdf43te
CDレーベル
下記、ユニバーサルミュージックから、MQA-CDが発売されています。過去の名盤もたくさんあります。
【ユニバーサルミュージックジャパン】
https://www.universal-music.co.jp/international/mqa-uhqcd/
総括
MQAによるハイレゾ音源が、車載でも聞くことができるようになりそうです。
このタイトルや方式が、主流になるのかどうかはまだわかりませんが、よい音の再生環境が整うというのはうれしいことです。
普段、スマホのデータ通信や、USBでのデータ移動で音楽データをやり取りする機会も多いと思いますが、やはり従来のハイレゾはサイズも大きく、手軽さの面で敬遠されることも多くあったと思われます。
今後、通信帯域の拡大やデータ伝送速度の向上で、大きなデータも瞬時に移動することができるようになると思われますが、その時代に先立って、コンパクトなMQAが使われ始めるのかもしれません。
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