ホンダ純正ドライブレコーダー
ホンダ純正アクセサリーとして、ディーラーオプションナビ(ギャザズナビ)と連動するドライブレコーダーが発売されています。
セキュリティその他の理由により、是非ドライブレコーダーを装着したいという方も多いと思いますので、その仕様について解説します。
連動型の最大のメリットは、カーナビ画面で手軽に映像を見たり、地点メモ的な使い方ができるところにあります。
連動型ではない純正ドライブレコーダーもカタログにもありますが、個別に装着するタイプの場合には、市販品の方が性能が良くて安いものが多くありますので、今回の記事では省略しています。
連動型ではありませんが、価格.comで人気No.1のコムテック社のドライブレコーダー(ZDR-015)を参考までに比較してみます。
選ぶ際の、比較検討材料にしてみてください。
①ナビ連動タイプ/駐車時録画機能付 ドライブレコーダー
※上記ページの先頭の製品
対応ギャザズナビ:
VXM-197VFEi/195VFEi/195VFi/194VFi/194Ci、VXU-197SWi/195NBi、(2019年)
VXM-187VFNi / 187VFEi / 184VFi / 184Ci、VXU-187SWi用(2018年)
価格:30,240円(税込)
解像度
1920×1080 (200万画素)
市販のものも含め、この辺り解像度が現在の比較的高画質の部類に入ります。比較的小さくしか映り込まなかった車両のナンバープレートでも、十分確認が可能です。
市販製品には、Kenwood等400万画素級のカメラを持つものもありますが、事故チェックには200万画素程度でも十分です。
より高画質なものは、どちらかというと風景の記録用途が主な目的になるのではないかと思われます。
記録メディア
microSD (16GB付属)
大容量のものに差し替えれば、より長時間の記録を残すことができます。ほとんどの製品がmicroSDを記録メディアに採用しています。
HDR/WDR機能:HDR(High Dymamic Range)
画像の一部が白とびしたり、逆に黒潰れもしないように、ダイナミックレンジの広い映像を記録します。
トンネルの入り口に入るときや出るときなど、通常のカメラの露出ではうまく映らないところを補正するように働いて映像が撮影されます。
最近はスマホなどでも、露出を変えてとったものを合成してダイナミックレンジを上げる技術が使われています。ドライブレコーダーにも同様の技術が使われています。
HDRやWDRの用語には、明確な説明がなく、さまざまなメーカーがこれらの用語を混在して使っているように見受けられます。しかしながら特にHDRは、露出を変えた撮影結果を合成する技術の場合に使われているようです。
単に映像のダイナミックレンジをあげる技術を「使っている」/「いない」で判断してもらえばよいと思います。
常時録画時間
約260分(高画質モード)、約350分(標準モード)
走行中の録画映像を撮影し続けていくと、やがて空き容量がなくなってしまいます。そんなときに、ドライブレコーダーは古い映像から順に消去し、最新の映像が常に撮影できるようにして常時記録を行います。
それぞれの記録モードで常時録画していた場合に、上記の時間を遡って再生することができます。(記録を停止したときに、残っている動画の最大時間です。)
イベント保護件数
8件 20件(20秒/件)
衝撃の発生や、ユーザーによる記録ボタン操作のことを「イベント」と呼びます。
常時録画していると、古いものから消されてしまいますが、このイベント前後の約20秒間を1つの単位として8 20件分、消さずに残しておくことができます。
イベント記録時間
20秒
上記イベント毎に残すことができる20秒の映像は、イベント発生の前12秒+後8秒です。
静止画撮影機能
あり
ナビ側のオンスクリーン上のボタン操作により、静止画(jpeg形式)を撮影可能です。
動画フレームレート
28 fps
信号は給電される交流電源により、高速で明滅しています。この周期と完全に同期してしまうと、ちょうど信号が消えたタイミングで撮影が行われてしまう場合があります。
フレームレート(1秒間の撮影コマ数)を信号機の点滅とずらしてありますので、信号機の状態もはっきりと録画されます。
動画/静止画記録方式
MP4 動画、JPEG 静止画
走行位置(座標)、時刻、車速、加速度も同時に記録・再生可能です。
本体サイズ
幅約5.5×長さ約8.4×高さ約3.6cm
液晶画面が付いていない分、比較的小型です。
画角
水平117° x垂直70°
水平画角が広ければ、ある程度横からの交通の様子もしっかりと撮影されます。117°は比較的広めであり、よいと思われます。
GPS
○:カーナビから供給
ドライブレコーダー本体にGPSは内蔵されていませんが、連携するカーナビのGPS情報を利用します。ドライブレコーダーによっては、位置情報が同時に記録されず、映像を撮るだけのシンプルなものもあります。GPS利用タイプならば仕様として十分です。
PC用ビュアーソフト
windows 7/8/8.1/10に対応の専用ビュアーソフトが付属(サイトからダウンロード)します。地図による位置確認や、速度、加速度の様子を同期して再生表示可能です。
本機の場合には、カーナビと連携して車内でも表示可能です。
駐車時録画モード
対応
エンジンOFFから30分間録画を継続(バッテリー電圧により録画が中止される場合あり)
その後は、衝撃を感知すると、4秒後から60秒間の動画を最大10件記録
これらの機能は、設定により個別にON/OFF可能です。
コインパーキングなどの屋外での駐車や共同の駐車場を利用している場合には、防犯上も有効と思われます。
②ナビ連動タイプ(駐車中監視機能なし) ドライブレコーダー
※上記ページの2番目に紹介されている製品
対応ギャザズナビ:
VXM-185VFNi / 185VFEi / 185VFi、VXU-185NBi、VRM-185VFEi / 185VFi、VXU-185NBi
価格:27,000円(税込)
解像度
1280×720(高画質 92万画素)および640×360(標準 23万画素)
現在市販されている一般的なものと比較すると、普通もしくはやや低解像度ですが、先行車の動きや周囲の様子を記録する上では十分使えます。
記録メディア
microSD(8GB付属)
大容量のものに差し替えれば、より長時間の映像を残すことができます。
HDR/WDR機能
WDR(Wide Dynamic Range)
白とびや黒潰れを抑えたダイナミックレンジの広い映像で録画できる技術を採用しています。
常時録画時間
約128分(高画質モード)、約925分(標準モード)
それぞれの記録モードで常時録画していた場合に、上記の時間を遡って再生することができます。解像度が若干低い分、記録可能時間が長いのが特徴です。
イベント保護件数
件数はSDカードの空きに依存
衝撃の発生や、ユーザーによる記録ボタン操作のことを「イベント」と呼びます。
常時録画していると、古いものから消されてしまいますが、このイベント前後約3分間を1つの単位として記録します。
イベント記録時間
約3分間
静止画撮影
対応
ナビ側の操作により静止画の撮影も可能です。
フレームレート
28 fps/14 fps
2つのフレームレートから選ぶことができます。信号機の撮影も問題ありません。フレームレートを下げることにより、記録時間を長くすることができます。
記録方式
MP4 動画、JPEG 静止画
時刻、速度、座標、加速度も同時に記録・再生可能です。
本体サイズ
幅約5.5×長さ約8.5×高さ約3.6cm
画角
水平115°x垂直65°
こちらも十分な水平画角をもっていると思われます。
GPS
〇:カーナビから供給
ドライブレコーダー本体にGPSは内蔵されていませんが、連携するカーナビのGPS情報を利用します。
ビュアーソフト
windows 7/8/8.1のWindows Media Playerで再生可能。ただし、専用ビューアソフトなし
自宅のPCなどで地図と連携した高度な再生には対応していませんが、カーナビ本体では、地図と連携した再生表示が可能です。
駐車時録画モード
未対応
機能比較表
ナビ連動/ 駐車監視あり | ナビ連動/ 駐車監視なし | コムテック ZDR-015 | |
---|---|---|---|
解像度 | 1920×1080 | 1280×720, 640×360 | 1920×1080, 1280×720 |
画角(水平x垂直) | 117°×70° | 115°×65° | 115°x58°(フロント) |
メディア | microSD(16GB) | microSD(8GB) | microSD(16GB) |
HDR/WDR | 〇 | 〇 | 〇 |
常時録画 | 約260分/350分 | 約128分/925分 | 約90分~約150分 |
イベント保護件数 | 20件 | SD空き容量に依存 | SD容量の10/20/30%に容量を設定可能 |
イベント記録時間 | 約20秒〈前約12秒/後約8秒 | 前後約3分間 | 30秒単位のファイルを2つ:約60秒 |
静止画 | 〇 JPEG | 〇 JPEG | × |
フレームレート | 28 fps | 28/14 fps | 19.1/29.1 fps |
GPS | 〇カーナビ利用 | 〇カーナビ利用 | 〇内蔵 |
ビュアーソフト | 専用ソフトあり | 汎用ソフトのみ | 専用ソフトあり |
駐車場録画 | 駐車後連続30分、その後衝撃感知モード | × | オプションの電源コードで対応可能 |
その他特徴 | ナビで映像を再生可能 | ナビで映像を再生可能 | リアカメラもセット 先行車発進お知らせなどの運転支援あり |
税込み価格 | 30,240円 | 27,000円 | 実売30,000円程度 |
- 解像度やフレームレートが小さい方が長時間録画には有利
- 同梱されているSDカードを大きいものに差し替えれば、録画可能時間も長くできる
- ワイドに録画されるものであれば、横から出てきた車についても、状況をあとから把握できる。
- ナビのボタン操作で静止画を残す機能があり、地点メモ代わりにも使えるので便利
- イベント発生時の速度情報なども専用ビュアーなどで表示されるが、ナビ連動タイプは車速パルスから情報を取ることができるので、より正確
- 上記のコムテック製品などの連動しないタイプでは、内蔵されたGPSの位置情報の変化から車速を判断するので誤差が大きい
- ブランドや機能にこだわらなければ、5千円程度~市販製品もある
まとめ
事故状況の監視用途や画面メモ的な用途で利用するのであれば、純正カーナビと連動するこれらの純正(ギャザズ)ドライブレコーダーはおすすめです。
純正品は一般に、やや型落ちになるくらいの枯れた製品が採用され、ある程度長い期間、継続販売される傾向があります。
そのため、現在市販されている売れ筋製品と比べると、少し見劣りするかもしれません。
しかしながら、車内インテリアに溶け込んで、綺麗にインストールされるのが魅力ですし、純正ナビと連動機能があるので便利に使うことができます。
参考までに紹介したコムテック社の製品は、ナビ連動こそしませんが、リアカメラもセットになった、とてもコストパフォーマンスの高い製品です。
リアカメラと前方カメラを結線しなければならないなど、ややインストールがわずらわしいのですが、同等の価格でこのようなものも入手可能です。
購入の際の参考まで。
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