カーナビの操作制限・TVの視聴制限とは?
カーナビや車載テレビには、通常、走行中の操作制限や表示制限があります。
多くの自動車メーカーは、日本自動車工業会のこちらのガイドラインに沿って作られています。
細かく見ていくと、いろいろな規定があるのですが、ざっくりまとめると、走行中に適用される操作制限は以下の2種類です。
- 走行中は映像が見られないようにする
- 走行中は操作手順の多くなるキー操作ができないようにする
1はTVやDVDなどの映像表示制限に対応し、
2はカーナビの目的地設定や、メニュー操作の制限に対応します。
カーナビ本体はどうやって「走行中」を判断するか?
カーナビのソフトウェアは、上記のような制限を掛ける条件として、車が動いているかどうかを判断する必要があります。
その判断条件には、以下のようなものが考えられます。
- パーキングブレーキが引かれているか?
- 車速信号が入っているか?(タイヤが回転すると信号が入ります。)
- GPSモジュールの信号から、移動していることを検知する
カーナビはどの条件で判断しているか?
カーナビが、車が動いていることを判断する条件は、実はカーナビの機種依存です。
メーカーや機種、OEMが課してくる条件によって異なる場合があります。
多くのカーナビでは、車両のパーキングブレーキ信号のON/OFFを見て判断しています。
そのため、キャンセラー等を開発するメーカーは、ここを工夫して走行中のナビを操作したいとか、走行中もTVを見たいという要求に応える場合が一般的です。
ところが、カーナビによっては、カーナビに供給される車速信号やGPS信号で、車が動いているかどうかを判断しているケースもあります。
機能制限のキャンセルとは?
カーナビは、テストや品質検査を実施する目的で、この機能制限を一時的にONしたりOFFしたりする機能をあらかじめ持っているのが一般的です。
このカーナビにあらかじめ実装されているキャンセルの方法は、パーキング信号のように結線方法で切り替えるものから、内部のソフトウェアで切り替えるものまであります。
特に、内部のソフトウェアによるもとのは、操作制限の設定ファイルの書き換えや、メンテナンスモードで設定を変更するのが一般的です。
市販されているキャンセラーはどうやっているか?
・パーキング信号に細工をするタイプ
単純に結線を変える。
もしくは、コネクターにカプラーをかませて、スイッチ操作で切り替えられるようにする。
・設定を書き換えるタイプ
各メーカー/モデルのカーナビ設定が完全に解析されている場合は、ソフトウェアの設定を書き換えるものもあるようです。
例>以前のマツコネでは、コンフィグファイルを置き換えてTVの視聴制限を解除してしまうものがありました。(→最新の物では、この方法は使えないようです。)
もし、これができたとすると、ナビに悪影響はありませんが、ディーラーなどで修理してもらう場合に問題となることがありそうです。(勝手に設定を書き換えたことになりますので。)
・センサーからの信号を一時的に止めるタイプ
車速やGPS信号を一時的に停めるものがあるようです。これらを止めてしまえば、ナビは車が停止しているものと勘違いしますので、走行中でも操作ができるというものです。
しかし、正しく自車位置が更新されませんので、一時的に操作したいときだけスイッチで切り替えて使うという考えの製品のようです。
※カーナビの自車位置検出のアルゴリズムは、常に学習を行って動作を最適化していますので、このように強引にセンサー信号を停めてしまうような行為は、おススメしません。自車位置が狂いやすくなります。一時的に信号を止めた後、再開してから正しい自車が位置に戻るまでに数分かかる場合もあります。
まとめ
最近は、カプラーをカーナビ本体背面の端子に装着し、スイッチなどで一時的に操作制限をON/OFFできるというものが多く出回っているようです。
「道路交通法71条5号の5」では、携帯電話だけでなく画像表示装置の画面注視でも違法となります。
また、「走行中に操作をする」ということは、画面を注視せずにはナビを操作することは通常困難ですので、「操作=注視」とみなされるのではないかと思われます。
いずれにしても、走行中のメニュー操作やTVの視聴はたいへん危険です。
「走行中は操作できない・映像を見られない」とあきらめて、運転に集中するのが得策のようです。
AI技術がもっと進んで、しゃべるだけでなんでもやってくれるようになると、ナビの操作は制限されていても全く問題なくなるのですが…。