回生ブレーキって何?
回生という言葉、昔はほとんど聞いたことのないものでしたが、ハイブリッドカーが世に出るようになって徐々に使われるようになってきた言葉です。
車が一旦加速した後、アクセルペダルから足を離すと、車はしばらく惰性で走ります。
多くの場合、ユーザーはスピードが上がりすぎたと感じ、少しスピードを抑えようという意図をもってこの操作をしているわけですが、このときの車軸が惰性で回ろうとする回転力を発電機に切り替えてしまい、電力を取り出しながら回転抵抗としてブレーキを掛けるという仕組みを回生ブレーキと呼んでいるそうです。
ホンダの回生ブレーキの説明
EVやハイブリッド車では?
EVやハイブリッド車では、車が一旦加速した後、ユーザーがアクセルペダルを戻したり、ブレーキを踏む操作をしたときに、走行用の電気モーターを回生用の発電機に切り替えて電力を回収しています。
この回収した電力をバッテリーに蓄えることにより、さらに燃費や航続距離を伸ばすために用いられています。
それ以外の車でも、最近、回生で電気を貯めている車があります!
EVやハイブリッドだけの技術と思っていたこの回生ブレーキですが、どうも最近、それ以外のガソリン車やディーゼル車でも回生する仕組みを持つ車があるようです。いったいどういうことでしょうか?やはり何か特別な仕組みをもっているのでしょうか?
1)回生用の特殊なバッテリー
従来からあるガソリン車に搭載されている鉛蓄電池は、回生エネルギーのような短時間のちょっとした電力を効率的に貯めることができず、また頻繁な充電サイクルに利用すると寿命を縮めてしまうという問題があります。
そのため、回生エネルギーを貯めるためには、ニッケル水素バッテリーやリチウムイオンバッテリーを別途持つ必要があります。
2)回生で貯めた電気で燃費は良くなるの?
上記回生エネルギーで、もう一つのバッテリーであるニッケル水度バッテリーやリチウムイオンバッテリーに蓄えられた電気は、エアコンをはじめとする電装品への電力供給に利用されます。
さらにもう一つ、この電力供給が行われるときには、エンジンと直結しているオルタネーター(発電機)を切り離すのだそうです。
これによって発電に使われてしまう燃料消費を抑えることができ、燃費の向上につながるんのだそうです。
オルタネーターの発電を休むだけで、そんなに違うとは…知りませんでした。
マツダのi-ELOOP用の蓄電手段
マツダの場合は、上記回生エネルギーの収集のために、キャパシターを使っているのだそうです。
つまり大きなコンデンサーです。
コンデンサーは非常にシンプルな構造で、大きな面積の並行電極がコンパクトに封入されているものです。バッテリーの様に化学変化もしませんから、劣化もありません。これはイイと思います。
まとめ
・回生ブレーキで電気を収集するタイプの車両には、スターター用のバッテリーの他に、もう一つバッテリーを内蔵しています。
・回生用バッテリーは、短い期間での充電でもしっかりと電気を貯めることのできる、ニッケル水素、リチウムイオン(バッテリー制御が難しい)、キャパシタータイプのバッテリーが使用されています。
・この第2のバッテリーから供給される電力により、通常は発電し続けているオルタネーターを休ませ、燃費向上に貢献しています。